なぜか隣に
君たちがいる
僕は家に帰るんだけどなあ
いつもは一人で帰る家に
今日は四人で帰る
やっと僕らは君たちに会えた
やっと僕らは君たちにお礼を言えた
そんな僕たちの言葉に照れる君たち
そんな僕たちの前で昔と変わらない君たち
それでもやはり君たちは大人の階段を登っている
そんな君たちの輝きに
僕たちは目を細めずにはいられなかった
君たちを見送るために駅に着いても
階段を登ろうとしない君たち
だけど僕らは
君たちと別れるために来た
君たちの目の前には
登るべき階段がある
僕たちの前にいることは君たちのためにはならない
階段を登りながら振り返り
手を振る君たち
僕はいつだってここにいる
登っていく君たちを見ている
僕らにできることは
君たちが階段の先に行くその背中を最後まで見届けること
君たちが行くところは遥か先
そこに僕らも行くことはできない
だが
僕らはいつだってその先を想像してワクワクしているんだ
君たちが運命の扉を力強く開ける姿を想像して