週末も少年サッカーの練習に行って、コーチをしてきました。

コーチをするって言い方、合ってますかね?

それとも、コーチングと言った方が良いのでしょうか…。

まあそれは別にイイとして、今回もパスゲームに多くの時間を費やしたわけですが、昨日は練習中に僕も口を出してみました。

今回の記事では、そこで言ったことを書き残しておこうと思います。

 

 

 

 

パスゲームの趣旨


まず、パスゲームを行う趣旨ですが、実際の試合はただひたすら前に蹴ってボールを追いかけるラン&ガン戦法だけでは単調な攻撃になってしまうため、緩急をつけるためにボールを回しながら相手の陣形を崩す方法も必要になります。

そのための練習がこのパスゲームになりますが、パスゲームは攻撃だけではなく、守備の仕方も身に付きます。

今回の記事では守備に関してフォーカスしませんが、追々説明できればと思います。

 

パスゲームで上手くパスが回るチームとそうでないチームの差は、どこにあるのでしょうか?

結論を言ってしまうと、コートの真ん中にポジションを取る選手がいるかどうかですね。

「え、そんなの当たり前じゃん」と思う方は、真ん中にポジションを取れる選手が必ずいるパスゲームに慣れていたり、自分自身がそういう選手であるからですね。

素晴らしいことです。

とはいえ、世の中すべてのチームにおいてそのような選手がいるとは限りません。

だからこそ、このパスゲームにおいてはまずは選手たちに、真ん中にポジショニングを積極的に取ろうという意識を植え付ける必要があるのです。

 

 

真ん中にポジションを取る選手がいるメリットは?


では、なぜコートの真ん中にポジションを取る選手がいると、パスが上手く回るのでしょうか?

少し極端な例にはなりますが、もし真ん中にポジションを取る選手がいなかった場合、形はこんな感じになります。

 

 

ボールホルダーは左右の味方にはパスを出すことができそうですが、対角にいる2人にはパスを出せそうにないですよね。

なぜなら、自分と対角にいる味方の間には2人のDFがいるからです。取られる確率は、シンプルに2倍です。

 

対して、もし真ん中にポジションを取る選手がいると、

 

 

パスコースが1つ増えましたね。もちろん、ボールホルダーへのDFの足に引っかかるかもしれないので、もし出すとなるとちょっと浮かせるなどの工夫が必要ですが、2人の壁を超える必要はなくなりました。

そしてもし真ん中にポジションを取る選手にボールが入ると、それだけで一気に全員にパスが可能になります。

 

 

とはいえ、味方の足元にバカ正直に出そうとすると引っかかることもあるので、スペースに出すことで味方を動かしながら、という必要が出ますね。

真ん中にポジションを取る選手が出てくることでコースが増えることはもちろん、その選手にボールを預けると、今度はその他4人がボールを受けるチャンスが生まれます。

これを連続で行えると、自然とボールは回りそうですよね。

 

 

リターンパスの有効性は?


ではここからは、真ん中にポジションを取る際に注意すべき点を見ていきましょう。

 

まずは当たり前ですが、首を振って360度の視野を確認しなければなりません。

味方がどこにいて、自分のマークのDFがどの角度からプレッシャーをかけてきそうかを常に把握することで、パスを受けた際の次のパスコースを決定することができます。

真ん中にポジションを取ることの第一関門がこの習慣でして、サイドのポジションを担うことが多い選手は、この習慣がつきづらいんですよね。

というのも、サイドラインにいると後ろは観客席なので確認する必要がなく、首を振らなくても常にコートの全体視野を確保できているからです。

かく言う僕も、ずっとサイドやFWを主戦場としてきたので、この習慣がなくてパスゲームの時は苦労します…。

 

さて、パスコースが把握できたら、実際にボールを受けましょう。

その際に、リターンパスも有効になります。

もちろん、空いている選手に出すことで時間的な余裕を作ることができますが、必ずしも自分のパスで時間的余裕を生み出そうとする必要はないのです。その次のパスで、大きな展開を生ませるのでも良いのです。

例えば、一旦ボールを真ん中で受けたとします。

 

 

真ん中のポジションでボールを受ける大きなメリットがもう一つあって、それは相手DF全員の死線を一度自分に向けることができるんですね。常にコート上の選手は自分のマークを確認しますが、ボールがどこにあるかの方を意識しますからね。

となると、移動した時に必ずみんな確認するわけです。

特にこの黄色のDFの視線を誘導することが大事で、この選手がボールウォッチャーになった隙に、黄色DFに付かれていた味方がポジショニングを変更するチャンスが生まれます。

 

 

そこでリターンパスを味方の前のスペースに転がしてやれば、一気に対角に展開することが可能です。この時は、ダイレクトでパスを出すのが理想ですね。

なぜリターンを受けた選手はそのようにパスを出せるのかと言うと、タッチライン際で常に全体視野を確保できているので、黄色DFのマークを交わした瞬間を見ることができますよね。

 

このように、自分が常に周囲の4人の中継としてではなく、時にはリターンパスを用いて対角同士の大きな展開をさせることも、真ん中にポジショニングを取る選手の重要な役割になります。

 

 

真ん中の選手は外に逃げてもOK


真ん中にポジショニングを取る選手は、ずーっとそこにいる必要はありません。

ずーっと真ん中にいても上手くパスを捌くことができる選手もいますが、時には外に逃げたっていいんです。

その際に大事なのが、相手スペースを別の味方が埋めることです。つまり、別の選手が真ん中のポジションに入ってこなければなりません。

 

 

もし入ってこないと、最初の画像で示したように、真ん中がぽっかり空いてしまい、ボールホルダーのパスコースが減ってしまいます。

 

また、真ん中のポジションでボールを受けても、相手のDFがそれぞれの味方にしっかりマークしていて、パスを出せない時があります。

そのようなときは、ワントラップを大きくしたりドリブルしたりして、空いているスペースに流れましょう。

 

 

そうすることで、また上記のように真ん中のポジションに別の味方が入ってきて、また従来のパス回しに戻すことができます。

パスゲームはですね、スペースを空けたり埋めたりを繰り返すパズルゲームのようなものです。

なので常に全員がボールや味方、DFの位置だけでなく、スペースも確認しておかねばなりません。

 

 

まとめ:真ん中にポジショニングを取る時はシンプルなプレーを心掛けよう


以上のような意識を持った、真ん中にポジショニングを取る選手がいるとですね、パスゲームもパスが回る狙い通りの練習となります。

 

コーチとしての声掛けとしては、まずこの真ん中にポジショニングを取る選手がいることで、パスが回りやすくなるという理由だけを伝え、失ってもいいのでチャレンジしてみようということを伝えます。

その上で、それぞれの現象が出ずに取られたりすることが多いようだと、「こうすると良いよ」と止めてアドバイスするのが良いでしょう。

 

真ん中にいると全方向から相手DFに狙われるので、真ん中にポジショニングを取る選手はできる限りシンプルなプレーを心掛けることを伝えたいですね。

自分はよくドリブルしがちですが、やはりパスをテンポよく割ますためにはドリブルは必要ありませんから。(笑)

となるとドリブルすべきタイミングを伝える必要も出てきますが…それはまた今度にしましょう!

 

 

 

 


まつを

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