僕は学生時代から日記を書く習慣があるのですが、コーチの仕事でも日々のトレーニングをきちんと振り返りたいと思っています。

学生時代はプレー日記を作っていましたし、せっかくなので今回の記事ではサッカーノートの書き方について僕なりの方法をまとめておこうと思います。

  • サッカーノートを書きなさいと監督に言われるが、何を書けばよいかわからない
  • 自分自身でプレーの振り返りをするが上手くできていない
  • 「継続力が無い」とよく言われ、自分でも改善したいと思っている

などといった課題を抱えている人は、ぜひこの記事を読んで試しに一歩踏み出してもらえると嬉しいです!

サッカーノートを書くメリット


一流の人たちは平凡な人たちと何が違うのでしょうか?

その一つに、同じミスを繰り返さないことがあります。

では、一流の人たちはどのようにして、同じミスを繰り返さないようにしているのでしょうか?

そのための手段の一つとして、自分のプレーを振り返るためのサッカーノートの活用です。

振り返りノートを書くことのメリットは、

  • その日の練習への取り組みと、その中で思考したことを認知する
  • 次の練習への具体的な改善ポイントを探る

という2つの力が大きく伸びることにあります。

僕自身、これからはこのブログに日々のトレーニングを振り返っていくことで、トレーニングやコーチングの質を高めていくための道具として使っていこうと考えています。

思考が整理されると練習での言動がシンプルで明確になっていくでしょうし、それによって少しずつですが練習の質が上がっていくはずです。

振り返りをすることが、「次に自分は何をすればよいか?」を発見しやすくするんですよね。

このような

振り返り→改善→振り返り→改善…

というサイクル(ビジネス用語でいうPDCAサイクル)が回せるようになると、持続力を持った確かな成長が望めるでしょう。

PDCAサイクルとは?基本やポイント、注意点、事例を解説

それはプレイヤーも同様で、練習を振り返ることで次の練習での課題を見つけて、次の練習ではその課題を克服しつつ、また必ず出てくる課題を振り返りで見つけて…の繰り返しが成長には必要です。

サッカーノートの書き方


では、サッカーノートにはどんなことを書くのが良いでしょう?

書くべき項目は、

  1. 今日すること・タスク
  2. 今日の期待(昨日から修正可)
  3. 今日の結果
  4. 今日の結果に対する考察
  5. 明日のタスクと期待

の5つです。

とはいえ、まずは「振り返りノートを毎日書く」習慣を身に付ける必要があるため、この5つのでも多いと思う方は、2/3/5の3つの項目で大丈夫です!

そして初めてサッカーノートに取り組む人は、シンプルな内容を心がけていきましょう

僕たちは、話の長い人の言った内容などほとんど頭に入りませんよね?

それは自分自身の振り返りノートも一緒で、一目見てあまりにも振り返り内容が長すぎると読む気が失せてしまいます。

もちろん、長く続けていくことで長い文章を書くこと・読むことに慣れてきて、より振り返る内容がボリューミーになることがあります。

ですが最初は、その日の振り返り内容をパッと見てすぐに把握できる程度で大丈夫です!

では、各項目について詳しくみていきましょう。

今日すること・タスク


まずはPDCAサイクルのPlanに当たる予定を書きます。

例えば、今日の練習で自分は

  • どんなプレーを心掛けるか?
  • どんな心の持ちようでプレーするか?
  • 味方にどんな要求をするか?

などですね。

他にも、練習後に自主練をする選手であれば

  • どのくらいの時間で○○をやる
  • その際に、x本成功させる

といったことも書いて良いかもしれませんね。

昨日の振り返りで5が記入されている場合は、それを端的に書きましょう。

必要なことは、その日にすべきこと・タスクを忘れないことなので、長々と書くよりも短い方が記憶に定着・留まりやすいですよね。

今日の期待・目標


この項目はPDCAサイクルにピッタリ該当するものがありませんが、強いて言うならこれもプランに当たるかもしれません。

あるいは新しく組み込むのであれば、Wantですかね?

ここでは、1で立てたタスクに期待する成果や結果を書きましょう。

成果の例としては、

  • どの程度できるようになる
  • x回勝利する

といったものですね。

ここまでが、その日の練習前に済ませておきたい準備です。

忙しくて書けない人は、練習前に自分の頭の中で1と2の内容を考えておき、振り返る際に書いても構いません。

そうなると、やはりここも短くシンプルな期待にすることで、覚えておきやすいですね。

今日の結果


そして練習が終わった後に、この項目以降を書いていきましょう。

ここでは、PDCAサイクルのDoに当たる練習の結果を書いていきます。

練習前に立てた今日のすること・タスクに対して、どういった成果や結果を出すことができたかを振り返ります。

可能な限り具体的に、例えば

  • Aという練習でY点入れるというタスクに対して、何%達成できた
  • BをX回するというタスクに対して、何%達成できた

などでしょうか。

数値で表すと実際の結果がわかりやすいので、2の期待に数値目標を入れておくと振り返りやすいです。

数字の期目標を立てることで、練習ではその数字を上回ろうと頑張り切れたり、できなかった時はわかりやすく未達の数字を自分自身に突きつけることになり、次の反省材料になります。

今日の結果に対する考察


次は、PDCAサイクルのCheckに当たる考察を書きます。

サッカーノートの振り返りの中で、最も重要な項目がココになります!!!

ここに書くことは「楽しかった」といったような感想ではなく、3で書いた結果を冷静に分析した内容を書きましょう。

例えば

  • なぜそのような結果になったのか
  • 練習の中で自分はどんなことを感じていたのか
  • 周りの選手と比較して自分はどうだったか

といったように、具体的に主観的・客観的の両方の視点から探りたいところです。

深く考えることができるかどうかで、持続的かつより大きな成長幅が決まるといっても過言ではありません!

改善案


最期に、PDCAサイクルのActionに当たる改善案を書きます。

その日の結果と分析の整理ができたら、

  • 次に同じミスを繰り返さぬよう
  • より質の高いプレーに磨きをかけることができるよう

どんな点に注意して、次の練習に臨むかを具体的に考えましょう。

改善案を考える際は、

  • ”自分が理想とする姿・プレー”から逆算する
  • 自分よりも上手くできている選手を参考にする
  • 分からなけば、チームメイトや監督に聞いてみる

などなど、自分の頭で考えることも大事ですし、他人を真似たり、他人の意見を仰ぐことだって時には必要です。

自分自身の成長のためには、時と場合に合わせて選択できる手段を大いに活用しましょう。

サッカーノートは自分と対話するための道具


僕らは練習している最中、無意識に頭をフル回転させています。

ただ無意識に考えていることをそのまま放っておくと、何も生み出さず、何も得られぬ経験として終わってしまいます。

まずはその無意識を意識下に置き、常に自分が考えていることをメタ認知しましょう。

その上で、忘れてしまわないようにその過程を言語化し、その場で考えて終わってしまわないようにするのです。

個々人が様々な思考を張り巡らすにの、同じものなど一つもありません。

その時の発見やアイデアは二度と生まれないかもわからない貴重なものなので、サッカーノートで意識的に記録しておく習慣を身につけておきたいところです。

このことからもサッカーノートのメリットは、練習でインプットしたことを自分の言葉でアウトプットすることで、記録と記憶にも落とし込めることができる点です。

落とし込むことで、頭の中に新しい引き出しが作られて、また取り出して使うことが可能となるのです。

さらに記録としてことで、内容を忘れてたとしても何度も読み返すことができるというメリットも見逃せませんね。

言わばサッカーノートは、”過去の”自分自身を見つめながら”今の”自分自身と会話するための道具です。

サッカーノートはオリジナルか既存品か


巷には、型がしっかりと決められたサッカーノートがいくつか販売されています。

有名選手のプロデュースしている○○ノートといったアイテムは、一見「あの選手が関わっているなら素晴らしい」と思われがちですが、出版社がお金儲けのために選手の名前を使っているにすぎず、子どもから夢の搾取という形で、お金を巻き上げるための手段の一つという裏事情もあります。

普通のノートの何倍ものお金をかけるくらいであれば、安いノートで自分で考えて作る方がよっぽど有意義です。

他人が作った型を全て模倣し、自己流のアレンジをしない者の成長幅はおのずと小さくなるでしょう。

なので個人的には、オリジナルでつくることをお勧めします。

市販の安いA4ノートを使って、毎日1ページ分に項目をササっと書くのが良いでしょう。

真っ白なページに、一から自分で書いていくのが面倒な人は、こういった既製品を活用するのも手の一つです。

重要なことは、やはり継続できる形であることです。

より質の高いサッカーノートを目指すなら『経営者の条件』を参考にしよう


この項目を作るにあたって、僕はドラッカーの『経営者の条件』を参考にしています。

タイトルだけ見ると「えーそれって経営者を目指す人が読む本なんじゃないの?」と思われがちなんですが、仕事はもちろん、スポーツなどにおいてもチームで何か成果を上げたい全ての人が、成果を上げる能力をどうすれば伸ばせるかについて書かれています。

例えば、今回取り上げた振り返りの項目以外にも

  1. 自分の強みを理解し、それにフォーカスすべし
  2. 時間管理を怠るべからず
  3. 目的を意識せよ

今回の記事ではこれらのポイントは細かくは見ていきませんが、チームの中で自分の色を出して活躍したり、チームに大きく貢献したりするためには、自分は何が得意でどんな特徴を持っているかを理解していなければなりませんよね。

それに、本気でサッカーが上手くなりたいのであれば、練習以外の時間もサッカーの上達のために時間を使わねばなりません。

とはいえ、僕たちには1日24時間しかないという制約があります。

その24時間をどうサッカーの成長のために使うかを管理することで、周りに差をつけて成長していくことができるようになるのです。

サッカーノートを書くことも、練習をすることも、サッカーのために時間を使うこと全ての目的は、サッカーが上手くなるためですよね。

こういったノートを作る際に、年間目標や月間目標の設定の必要性も挙げられることがよくありますが、不確実性の高い目標は必要ありません。

計画を立てたとしても計画通りにいくことはほとんどありませんし、大きな目標を立ててそれを主張することにエネルギーを使ってしまい、そのための努力の手前で満足してしまうこともあります。

予定は未定、ならば昨日を今日に生かし、そして明日を更に良いモノにすべきでしょう。

先のことよりも、まずは今を見つめることで先の見通しが開けてくるのです。

サッカーノートで今と向き合わずして、自分をより大きく成長させることはできないと言っても過言ではありません。

より質の高いサッカーノートを目指すなら必ず”他者”に見てもらおう


数多くの著名人やスポーツ選手などは、よくスポーツノートを小さい頃から書いていたと言われていますよね。

サッカーでは中村俊輔選手を筆頭に、本田圭佑選手もそうですし、他にもたくさんいます。

野球でも、大谷選手がそうですよね。

一つ言えるのは、有名人に限らず読者それぞれの周りにいる、多くの人から尊敬される人物や自己を律する姿勢を持っている人物は、ほとんどがこれを実践しているということです。

形は違えど、頭の中だけで実践している者もいれば、自分のようにブログで書き残している者もいるでしょう。

自分だけで振り返りを行っている人ももちろん多数いますが、個人的には可能であればぜひ他社にも見せてほしいです。

他者から見た客観的な意見も時には必要になるので、主観だけに執着しないようにうまくバランスを取ってもらえればと思います。

自分のスポーツノート書き方は自分で考え、要素を取捨選択して作るべし!

仕事でもスポーツでも、今まさに伸び悩んで困っているという人は、まずは書いてみるという行動からチャレンジしてみましょう!

僕も良い指導者になれるよう、頑張って振り返りをしていきます。

選手たちにも、サッカーノートのやり取りをしたいなあ。


まつを

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