今日は調子がいいので連投します。話題はサッカーで。
皆さんは世界の強豪国と、対等に戦うには何が必要だと思いますか?
攻撃力か、それとも守備力か…
今の日本に必要だったのは、間違いなく『守備力』でした。
弱小国はまず攻撃力を鍛えるべし
日本は1993年のドーハの悲劇以降、攻撃力の向上に力を入れ続けてきました。
当時の試合をフルで見たことはありませんが、オヤジが言うには形も何もない単発攻撃しか日本代表にはなかったそうです。オフザボールの動きも現代ほど洗礼されたものではなかったので、アジア相手でも前に出せずにひたすら後ろでボール回しをしていたそうです。
まず勝つのに必要なのは攻撃力。
当時はアジア相手でも苦戦していたので、着手すべきは個人の能力アップ。ドリブルやプレー中のスルーパス・トラップの精度、シュート・ヘディングなど。
Jリーグもできたおかげで海外から多くのプロ選手が来日し、多くの日本人選手にプロの技術を示してくれたのもでかい。
その結果、日本人選手の「攻撃」スキルは格段に向上しアジア相手にも得点を量産できるようになりました。
2010年代に入ると、強豪国からも得点をもぎ取れるところまで来ました。
ただ次に来た壁が、「点数を入れられないこと」でした。
アジア相手に守るのが簡単な理由
正確には、アジア相手にも真に「守れている」とは言えていなかったのですが、アジア各国の攻撃が日本が過去に陥っていた「単発攻撃」であるために、非常に守りやすいからという理由があります。
結局日本がアジア相手で得点を奪われる時は、足の速い選手にぶち抜かれたりといった個人対個人で負けての失点がほとんどを占めています。
今回のアジアカップでも、3失点全て崩されてではなく
- 相手を甘くみてプレスを怠った
- 簡単にボールを奪われた→油断してマークを外していた
- フィジカルのある相手にぶち抜かれた
でした。
とすれば、アジアカップのトーナメントのように集中してチャレンジアンドカバーさえ正確にできれば、アジアでは容易に守れてしまうわけです。
成熟したチームは「連携攻撃」で崩してくる
チームというのは、成熟すればするほど個人ではなくチームの形で崩してきます。今の日本代表もそうですね。
単発攻撃よりも連携攻撃を守る方が当たり前ですがより難しく、ポジションチェンジをしたかと思えば、後ろからサイドバックが攻め上がってきて、ボランチがゴール前まで顔を出し、奪えたと思ったら近くにいた敵選手がすぐさまプレスをかけてくるというように、チームが一つの生き物として動けています。
スーパースターの存在に依存するチーム
ただ例外としては、メッシのようなスーパーな選手がいる場合は、その選手におんぶ抱っこしてもらうという例外もあります。
アルゼンチンは本来であればメッシのおんぶ抱っこではなくチーム戦術でしっかり戦うことができれば、間違いなく選手層的に見てもワールドカップベスト4には入れるはずなのにと個人的には思っています。
そして昨日の試合に関していえばイランもそうで、本来であればアズムンだけでなく中盤にも良い選手が揃っているので、チームで崩しにかかればかなり怖い攻撃をできるはずであったのにアズムン頼みの戦術で挑んできたために、他のアジアの国のような単発攻撃となってしまって、全く怖くありませんでした。
逆に、トーナメント1回戦で当たったサウジアラビアの方が、チームで崩しに来ていたので怖かったですからね。なので今後、サウジアラビアがゴール前の精度を磨けば、イランではなくサウジアラビアが日本を脅かす存在になると思います。
ただ、イランも本来はチームで崩すことができるチームなので、昨日に関しては採用した戦術を間違えただだけですね。
連携攻撃に対応するには「連携した守備」
単発攻撃を止めるのに、チャレンジカバーができれば問題なしと言いましたが、「それが連携した守備じゃないの?」と思う人がいるかもしれません。
確かにチャレンジアンドカバーも連携した守備ではあるものの、こちらはチャレンジする1人に対して近くにいる1,2人の味方選手が後ろのスペースをカバーするといったもの。
極端な話、そのエリアで守備が完結する可能性が高く、他の選手は自分の近くに来た時に集中すればよいのです。
ただ真に「連携した守備」というのは、ファーストDFの近くにいる選手からポジションを埋めることはもちろん、一番離れた選手も常に自分が埋めなければスペースにポジションを取りつつ、攻撃に転じる時にどこでもらうかのスペースメイクをしておくことに他なりません。11人全員が、「チームの中で今自分がすべき仕事」を把握し、実行できていることが理想の「連携した守備」であります。
アジアのチームがイマイチぱっとしないのは、ファーストDFより距離が離れれば離れるほどその選手の攻守ともに連携意識が薄れてしまうからです。
日本は森保監督の下で「連携した守備」を手に入れた
- 2010年のワールドカップで足りなかったのは、「攻撃力」
- 2014年のワールドカップで足りなかったのは、「メンタル」
- 2018年のワールドカップで足りなかったのは、「守備力」
2018年は、攻撃力も守備力も十分でした。蹂躙された前回大会、そして直前のバラバラな状態で誰からも期待されていない状況を、「見返してやろう」と一致団結。
そして、香川を筆頭に乾、原口、柴崎、大迫が本番にピークを持っていくことに成功し、過去最高のタレントで絶好調で挑むことができたので、攻撃陣の働きは当然でした。
ただ、やはりだめだったのが守備力。西野監督もさすがに3カ月で完璧なDFラインを構築することは難しく、個人の能力頼みになりました。
その反省を生かして、森保監督が着手したのは守備ラインの統制を図ること。特に肝となるのが、長谷部がいなくなったことで守備の危機察知をしつつ中盤の底からゲームを作ることができなくなるという危機を、新たな選手を入れることで見事に埋めました。
ゲームを作るのは、柴崎と冨安に、危機察知からのカバーリングに関しては遠藤にというように役割を分担したことで、見事長谷部の穴を埋めました。
冨安という世界でも通用するCBが新たに出てきたこともありますが、このアジアカップで特に印象的なのが長友と酒井が守備に集中できていることです。
なぜ守備に集中できているのかというと、新生日本代表のサイドハーフがサポートがなくても自ら前に運んでいく能力を持っているからです。これまではサイドバックの上りを利用して前に行くのが日本代表のサイドの基本でしたが、個人でハイレベルに運べるようになったことで、前線に行くスプリント回数を抑えることができ、攻め疲れを見せる姿が少なくなりました。
本来、SBの仕事はまずは「守備をしっかりすること」なので、その仕事に集中できています。
冨安の投入が守備力だけでなく攻撃力アップに
棚ぼただったのが、冨安がDFラインからゲームを作ることができることで、ノーマークで縦パスを高精度に入れることができるようになり、ボランチが前線に入った時に受けやすくなったことです。
イメージはこんな感じ
ボランチから前線にボールを配給した場合
✕ ✕
大迫
✕
南野
✕ ↑
柴崎
極端な話、柴崎はパスを出すという動作をする以上、大迫に出してからサポートに行くまでにどうしても数秒間の遅れが生じます。
ところが冨安から出せるのであれば、
✕ ✕
大迫
✕
南野 ✕
柴崎
✕ ↑
冨安
冨安から大迫にボールが入る際に、南野だけでなく柴崎もすぐさまサポートに行くことができ、柴崎から出すよりもより厚みのある攻撃ができます。
大迫が柴崎に落とし、その間に南野が動きなおしてスルーパスを出せれば3人目の連続をDFは止めずらく、一気にビッグチャンスになる可能性が高くなりますよね。
日本代表も、できることが多くなったのです。
攻撃と守備は表裏一体
攻撃も上がれば守備も本来は上手くなるはずなので、これまでは守備の大事さを理解し、それを伝えることができる監督を連れてきていなかったということになります。特にザッケローニ監督の時ですね。ただ、攻撃力アップには多大なる成果を残してくれたので、今は1993年以降の日本代表が積み重ねてきたものが、確実に世界基準へと近づいてきています。
これを試すのは、次のコパアメリカになります。
金曜のアジアカップ決勝もアジアの盟主になる大事な試合として楽しみですが、この守備力が世界のトップ層相手に通用するのか試すコパアメリカも楽しみですね!
日本代表の欧州メンバーの活躍をチェック!
気づけば、日本代表メンバーの半数以上が欧州組になりましたね。
日本代表選手たちの普段の試合は地上波テレビでは追いかけることができないので、別の視聴媒体で追いかける必要があります。
せっかくなので、僕がいつも確認しているYouTubeチャンネルを一覧で載せておきますね。
リーグ(国) | 視聴媒体 |
日本代表 | JFATV |
CL/EL | WOWOW |
リーガ・エスパニョーラ(スペイン) | DAZN Japan |
プレミアリーグ(イングランド) | SPOTVNOW |
ブンデスリーガ(ドイル) | スカパー! |
セリエA(イタリア) | DAZN Japan |
リーグ・アン(フランス) | DAZN Japan |
プリメイラ・リーガ(ポルトガル) | DAZN Japan |
ベルギー・プロ・リーグ | DAZN Japan |
スコティッシュ・プレミアシップ(スコットランド) | SPOTVNOW |
Jリーグ(日本) | Jリーグ公式チャンネル |
ぜひ参考にしてもらえればと思います!毎週末チェック!
2ちゃんねるサッカー板のまとめに関しては、こちらの3つのサイトがおすすめです。
日本代表サッカーファンみんなで、蒼きサムライたちの活躍を応援しましょう!