【高校生】試合で笑顔を見せることの是非

こんばんは。

今日はハウスでのトレーニングでした。プレミア参入組と怪我離脱組を抜いた総勢48名、パンパンです。

行なえるトレーニングも、リフティングや対面パスといった基礎がメインで40分ほどみっちり、その後30分でサーキットを入れて運動量を上げました。

シンプルなトレーニングになりました。

 

さて今日の話題は、試合や練習で笑顔を見せることは良いことなのか?それとも悪いことなのか?についてです。

 

なぜこの話題なのかというと、事の発端は先日のフットサル地区予選。

予選第2戦目で0-2で負けているハーフタイムに、とある選手が笑っていたところを見に来ていた第三コーチが目撃し、その行動は選手としてありえないとして、月曜日のミーティングでその選手の降格が決定しました。

 

その選手をKとすると、自分はこの1年Kを見てきて、「彼は誰よりも空気が読める」と自分は考えていました。

というのも、練習や試合で雰囲気が悪いような時、Kはその空気にいち早く気が付いて「元気出していこう、切り替えていこう」といった声掛けをする選手でした。

このチームに来て当初、自分もトレーニングでなかなか上手くいかずに空気が悪くなってしまった時があり、そういった時に必ず「ちゃんとやろうぜ」といった声を出してくれたのがKでした。

Kはとにかく素直な人間で、少し人見知りなところもありますが、コミュニケーションを取ればしっかりと話をできる人間です。

そういったこともあり、自分はKを信頼していました。

 

試合で第三コーチが見た場面も、実は負けているのをニヤニヤしていたのではなく、後半頭からKのセットが出ることになっていたので、「自分たちでしっかり点を取り返そうぜ」とリラックスしながら言っていただけでした。

「リラックス」

僕は笑顔にはリラックス効果があると思っています。なので、僕自身も緊張するときほど笑うようにしています。

事実、高校の時から自分は練習でよく笑う選手でした。

笑うということは、心に余裕があること。

なので、僕は誰よりも練習で余裕を持って挑めていたし、よく笑っている時ほど大抵調子が良い。今思うと、試合でも笑える余裕があれば自分は恐ろしい選手になれていたのでは…なんて。(笑)

ただ、僕の「練習中に笑うこと」は当時の部活の監督には理解されず、何度もそのことで「ふざけてるのか!」と怒られベンチ外の憂き目にあいました。

あの時の僕は不思議で仕方なかったのですが、というのも「誰よりもサッカーを楽しんでいただけ」なので。なぜ楽しんではダメなのか?と思っていました。

 

その後、大阪の強豪社会人クラブではチームメイト皆豪快に笑う人たちだったので、僕もお構いなしに楽しんでサッカーをすることができました。

そういうチームの不調はわかりやすく、皆の笑顔が少ない時でした。

 

話は逸れましたが、恐らくKも自分と同じタイプ。

外から見ていると彼は心に余裕を持ってプレーしていて、ラフプレーにもいら立つことはめったにない優しい人間です。(怒ったらかなり怖いですが笑)

 

今回たまたま第三コーチに見つかってしまいましたが、第三コーチは失礼な言い方をすると考えが古いタイプの人間で、そういう笑顔を絶対に認めず悪とする人です。

なので、今回は見つかった相手が悪かったなと自分は思っていて、これが他のコーチだと許す人もいるし、自分ももちろんそう。

 

ですが月曜のミーティングで第三コーチの出した結論は、Kの下カテゴリーへの降格。

フットサル組と他の居残り組の週末の様子から、第三コーチと上下分けを話し合った際に、第三コーチは試合で笑っているような選手はいらないと言ってKを落とすと言いましたが、自分は反対。

「彼は場を和めようとしていただけで、笑っていたことも緊張せずに後半から臨めるよう自分でメンタルを調整していただけ」と説明しましたが、結果は覆らず。

 

昨日のミーティングでも皆の前で名指しで怒られてしまい、本人も納得いっていない様子だったので(気持ちは痛いほどわかる)、今日の練習前に個人的に呼び出して説明をしました。

  • 自分も過去に同じ様な経験があること(=同じ立場に立つ)
  • 理解してくれる人と理解してくれない人がいること(経験上から)
  • どの指導者かで、試合や練習で笑顔を見せても良いかどうか判断すること
  • 笑顔を見せること自体はリラックスでき余裕も生まれるので良いこと(自分の考え)
  • 今回は運が悪く、自分も庇うことができず申し訳ない
  • 次の入れ替えまで下のカテゴリーだけれど、腐らず頑張ろう

以上の点を伝えると、Kも心なしかすっきりしたようでその後の全体練習に笑顔で取り組んでいたので、とりあえずは自分もホッとしました。

Kは能力的には上のカテゴリーの中でも上手い選手なので、ここ何日か下でやらせるのは残念ではあるけれど、逆にここでもきちんとできるかどうかでまたスタッフ陣からの評価も変わるので、真剣に取り組んでもらえたらなと思っています。

 

 

さて、今回の話に出た「笑顔にはリラックス効果がある」という意見の根拠は、僕が読んでいるサッカー小僧新書の

 

『「心理戦術」が日本サッカーを進化させる』(大儀見浩介、2010年)

 

興味ある方は読んで見てくださいな。