宮市亮の強みはスピードを生かしたドリブルと強靭なメンタルである

 

 

日本代表がE1選手権を制覇した裏で、宮市亮選手が左膝前十字靭帯断裂という大ケガを負いました。

悲しい…なんて言葉では言い表せないですね。

僕を含め、恐らく長年、日本代表を応援し続けてきたファンにとって宮市選手は、大きな期待を寄せてきた魅力的なプレイヤーであったのではないでしょうか。

 

宮市選手のケガの報道と宮市選手からのメッセージを読んで、自分なりに考えるところがあったので今回の記事でまとめてみようと思います。

 

「現役を終えようと思っていました」 宮市亮、右膝負傷後の心境をSNSで告白「多くの人失望させた」

 

 

日本だけでなく世界からも注目された才能


「高卒でアーセナルに入団が決定!」というニュースが、10年前に日本サッカー界でひと際大きな話題を呼びました。

それがまさにこの宮市選手で、長身ながらも圧巻のスピードを生かしたスライドの大きなドリブルから繰り出されるクロス、シュートが魅力的で、その才能に名将ベンゲルが惚れ込み名門アーセナルの入団が決定。

日本のサッカーファンにとっても、大きな期待と共に宮市選手のサッカー人生を追うきっかけとなりました。

 

 

 

スピードを生かしたプレーによるケガの連続


1年目はアーセナルからのレンタル移籍先のオランダリーグで、圧倒的なスピードによるドリブルで、相手DFに強烈なインパクトを恐怖を与える目覚ましい活躍を見せました。

イギリスのサッカーサイトによる「20歳未満の世界の注目の若手選手25人」にも選ばれるなど、注目度まで高まったことで、相手DFからも警戒されるようになったのです。

とはいえ、そのプレースタイルゆえに宮市選手はプロとしての2年目で挑んだ世界最高峰のプレミアリーグで、相手DFから激しいチャージを受けるようになります。

 

スピードタイプの選手はとにかくスピードに乗らせない

 

というのはDFにとっては鉄則で、ドリブルを始める段階で早めに潰しておかねばなりません。特に、プレミアリーグのような屈曲なDFたちは相手をケガさせることも厭わず止めにきます。

宮市選手のドリブルの特徴は細かいタッチで相手を抜いていくのではなく、自分の前のスペースにボールを蹴り出すことで相手が「クリアできる」と一か八か足を伸ばしてきたところに、コンマ何秒か先に触ってまた蹴り出して前進していくスタイルです。

この時相手はスライディングなどで体を投げ出してきているため、先に触ることができれば相手の態勢が崩れている中で自分はスピードに乗れており、一気に相手DFを置き去りにすることができます。

しかし、この「先に触る」タイミングが少しでも遅れてしまうと…想像したら分かるように、相手DFのタックルをもろに受けてしまうのです。

 

日本やオランダではこういったドリブルをしても相手より早く触ることができましたが、やはり彼が戦っていたプレミアリーグという舞台はこれまでとは違い、相手DFのレベルも世界トップ。

自分が「先に届く」と思ってドリブルをしても、相手DFも届いてしまうゆえに、そのドリブルを繰り出すたびにケガすることになったのです。

 

そういったDFからのマークが激しくなった宮市選手は、ケガをして、復帰をしてはまた削られてケガをするという負のサイクルにハマり始めました。

相手DFもプロである以上、

結果を出して、試合に出続けることでお金を稼ぐ

という姿勢で対峙してくるのは当然、だからこそそういった相手にもケガさせられないプレーが必要になってきます。

 

 

ケガの回数=困難に立ち向かった回数


 

2011年11月 左足首捻挫
2012年04月 右肩負傷
2012年11月 右足首靱帯損傷
2013年03月 右足首靱帯損傷 手術
2014年04月 左ハムストリング損傷
2015年07月 アキレス腱痛
2015年07月 左膝前十字靭帯断裂 手術
2016年09月 右足肉離れ
2016年10月 脳震盪
2017年06月 右膝前十字靭帯断裂 手術
2018年04月 右膝前十字靭帯断裂 保存療法
2019年01月 右太もも負傷
2020年05月 ひざ負傷
2020年06月 内転筋損傷
2020年06月 けい部痛み
2020年12月 左ふくらはぎ負傷
2022年06月 左ハムストリング肉離れ
2022年07月 右膝前十字靭帯断裂 手術

引用:カルチョまとめブログ

 

この経歴を見て、みなさんはどう感じるでしょうか?

「ケガが多くて使えない選手だ」

「これだけのケガをしたら足もボロボロなので引退した方が良いのでは?」

などなど、マイナスなイメージを抱くかもしれません。

 

ファンやクラブを応援する一人間としては否定的な目で見てしまうのも事実ですが、本人からしてみたらこれは困難に立ち向かってきた経歴でもあるのです。

彼はこれだけのケガをしてもなお、自分の奮い立たせて、ピッチで躍動することを夢見てリハビリに励み続けてきたのです。

普通の人であれば、途中で諦めてしまうはずです。今回も含めて、選手生命にかかわるケガもたくさん経験してきました。

 

それでもなお復帰しようとしている宮市選手に見えているのは、「自分のため」をさらに超えて「応援してくれている家族、友人、そしてファン」なのでしょう。

そこには恐らく、期待してくれて、復帰を待ち望んで充実したリハビリ環境を用意してくれたチーム、スタッフ、そしていつも応援してくれているファンがいるはずです。

もちろんこれだけのケガをしてプレーの稼働率も低いとなると、クラブにとってはなんとも費用対効果が薄い選手として見られてしまうことも事実です。

ファンとしても歯がゆく見守らざるを得ませんが、ですがこんなにたくさんのケガを乗り越えてなお、縦に、縦に力強く進んでいくドリブルを見たら応援しないなんてことは無理ですよね。

 

 

唯一無二のプレースタイルとメンタルだからこそ


本人も言うように、両膝の断裂を経た次こそが恐らく最後の復帰になるでしょう。

もちろん、諦めるかどうかは本人次第ではあるものの、次また前十字靭帯を傷つけてしまったら、それこそ私生活にも支障をきたすレベルであると思います。

 

ですが、その危険なドリブルをやり続ける姿勢や、激しいタックルを受けて重傷を負ってもなお復活するその強い心は、「宮市選手だからこそ」であり、そのような唯一無二のプレースタイルとメンタルを持ち合わせているからこそ、僕たちファンは彼に魅了され、どんなに長期離脱で「もう無理だろ…」と思っても応援したくなってしまうのだと思います。

確かに、チームとしても稼働率の低い選手はやはり使い勝手が悪いし、ファンとしても期待を何度も裏切られる形になることにもどかしい気持ちを覚えるでしょう。

 

それでも、誰が何と思おうと「サッカーが好き」という想いをピッチで表現し、「重いケガをしても復帰して輝くことができる」という勇気を与え続ける宮市選手は、やはり日本サッカー界においてこれほど素敵な選手はそういないのも事実です。

 

「周りのため」にプレーしていることが、こんなにも多くの人に勇気を与える選手はいないでしょう。

宮市選手の価値は、プレーとその強靭なメンタルにあるのです。

このメンタルは普通の人が行きつかないところまで強く、周りを巻き込む輝きがあるのです。

 

僕は宮市選手がA代表デビューした2012年に代表戦をオヤジと観に行ったのですが、その時に着ていたレプリカシャツは「RYO」と書かれた11番でした。

同じスピードタイプとして、最高の憧れでしたし、E1選手権の中国戦でも間違いなく、攻撃を牽引していたのは宮市選手でした。

繰り返しのケガを乗り越えて、10年の時を経ても日本代表で活躍する力を持っていることを示した宮市選手の復帰を、僕は気長に待ちたいと思います。

 

次こそが恐らくラストチャンス。まだ日本代表への扉は閉じていません。

頑張れ…宮市選手!もう一度、日本代表のピッチを駆け抜ける姿を見せてください!

あの突破からゴールが生まれ、観客が湧くシーンを一度でも見たい!

 

 

 

 

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