※この記事は2018年のワールドカップ前に書いたものです。
ワールドカップの出場は無事決まったものの、昨日のマリ戦と言い、今後の雲行きが怪しい試合を繰り広げている日本代表であります。
個人的には、日本の攻撃はぜひ香川真司選手に期待したいところなのですが、いかんせん最近は存在感がありません。
ネット上ではよく、「香川真司は日本代表にはいらない」といった意見が見られます。
ファンとしては聞いていて非常に悲しくなるわけです・・なぜなら香川真司選手は、日本サッカー史上最高の選手だと僕は思っているからです。
そんな香川真司選手のファンのワタクシが、日本代表でなかなかフィットできない理由についての見解を示してみます。
今回の記事内容は、「なぜ香川は活躍できないのか?」についてになりますので、お暇な方はぜひお付き合い下さい!
引用:https://pinky-media.jp/I0018507
香川真司のプレー特徴
香川真司選手が活躍できない理由を探る前に、まずは香川真司選手がどんなプレイヤーなのかについて、軽くおさらいしましょう。
香川真司選手の特徴は、
- アジェリティを駆使したタッチの細かいドリブル
- FW後方の2列目から飛び出しチャンスをつくる(ラストパス、シュート)
- 密集地帯で果敢にボールを受ける姿勢とキープ力
- 広い視野を活かし、長短のパスを使い分けてゲームを展開する能力
が主なところではないでしょうか。
若い頃の香川真司選手はセレッソ大阪ではボランチとしてデビューし、運動量を活かして縦横無尽に動き回っていました。
ですがボランチということもあって守備に回ったり、バランスをとったりする役割を担うことが多く、あまり攻撃チャンスに頻繁に絡む選手ではありませんでした。
プロ3シーズン目にトップ下へ抜擢されたことでその攻撃センスの才能が花開き、チームメイトの乾貴士選手とともにゴールデンコンビを結成して、J2で無双しました。
2人でサッカーしてますね。(笑)
ちなみに余談ですが、香川真司選手はこの活躍がスカウトマンの目に留まり、ドルトムントへ移籍し大活躍するのですが、そのスカウトマンが香川選手を調べる中で、「香川真司選手と抜群の相性で活躍しているもう1人上手い選手は誰だ?」と話題になったことで、乾貴士選手もドイツ移籍の道が開かれたそうです。
最近は20代前半時のような爆発的なアジェリティは落ちましたが、その分ゲームを落ち着かせるゲームメイカー的なプレーが節々に見られます。
それができるのも、元からあるキープ力のおかげであり、両足を遜色なく使いこなせることもその理由の一つでしょう。
香川真司の今の日本代表での役割は?
そんな特徴を持つ香川真司選手は、今の代表でどんな役割を求められているのでしょうか?
私が思うに香川真司選手は今日本代表で、
- ゴールを決めるフィニッシャー
- バイタルエリア付近でパス、ドリブルでチャンスを生み出すチャンスメイカー
- 中盤でボールを回し、ゲームを組み立てるゲームメイカー
この3つを任されているように見えます。
みなさんはこれを見て、どう思いますか?
「これくらいできるっしょ~」と思いますか?
ハッキリ言います。
無理です。いっぺんにこんなにたくさんの役割をこなせません。
ちなみに、今世界で唯一この3つのタスクを完璧にこなす選手が存在しています。
メッシ選手ですね。
歴史上これまでの選手はいなかったと言えます。
例えば、
- ペレ選手が特化していたのは①と②の半分
- マラドーナ選手であれば、①の半分と②
ゲームメイカーを2人は担うことはありませんでした。
他には
- クライフ選手は②の半分と③
- ジダン選手は②と③の半分
といったところです。
つまり香川真司選手は日本代表で、世界の歴代名選手が担ってきた役割よりも多くを任されているのです。
「点が取れない」、「アシストしない」、「以前よりドリブルしない」などなど、無茶なことを言われていますが、それもそのはずなんせ香川真司選手はやるべきことが多すぎるのです。。
なぜ香川真司が担う役割が増えてしまったのか?
香川真司選手が最も輝いていた初期ドルトムント時代は、①には現在世界最高峰のCFまで成長したレヴァンドフスキ選手がおり、③にもギュンドアン選手などの優れたゲームメイカーがいました。
そのおかげで、これまでは②だけに集中することができたのです。
ブンデス2年目では、優れた選手に囲まれて自分のストロングポイントを存分に発揮でき、世界トップレベルのチャンスメイカーの評価を得ることができました。
香川真司選手が日本代表の試合に出始めたころ、日本代表にはゲームメイカーと呼ばれている選手たちが揃っていました。
中村俊輔選手、遠藤保仁選手、中村憲剛選手などなど。
しかし残念なことに、せっかくゲームメイカーがいたこの時期に香川真司選手の代表でのポジションはサイドハーフでした。
仕方のないことではありましたが、香川真司選手はサイドでは機能する選手ではありません。
というのも、香川真司選手のドリブルの特徴はサイドの選手で必要とされる縦に抜けるドリブルではなく、キープや密集回避に必要な横のドリブルが得意な選手だからです。
本来であれば、ザックジャパンの時こそ香川真司選手は、トップ下をやるべきでした。
実は、本田圭佑選手が不在の時期に中村憲剛選手がボランチに入り、香川真司選手がトップ下でプレーした試合が数試合ありました。
この時の香川真司選手のプレーはとても生き生きしていました。
中村憲剛選手から密集地帯にいる香川真司選手の足元に面白いようにボールが入り、面白いようにチャンスが生まれました。
また、なぜ①もこなさなければいけないのかというと、日本にはストライカー不在という永遠の課題があります。
ドルトムントでは強力なフィニッシャーがいましたが日本代表にはいないので、香川真司選手と本田圭佑選手が担わなければならなかったのです。
僕はそれでも十分やっていたと思います。MFで20得点以上挙げていますからね。
香川真司選手が①、②の役割をこなすには、③を完璧にこなす選手が必要で、なおかつトップ下というもっとも得意な位置に入ることが条件でした。
そのため、3を担える遠藤保仁選手がいたザックジャパンのベストメンバーであっても、香川真司選手は左サイドであったために輝くことができなかったのです。
得意ではないポジションにもかかわらず、日本代表の中で①と②を任されていたブラジルワールドカップ期は、それはそれは大変だったことでしょう。
香川真司の特徴の変化とファンの期待のズレ
ザックジャパンが終わってハリルジャパンに切り替わり、戦術が縦に早いサッカーをするようになったことで、中盤にはデュエルが強い選手を置くことが増えました。
その結果、ゲームメイカーを置かない布陣が増えて、それまで香川真司選手に出てくるはずであったボールが出てこなくなったのです。
これはつまり、これまでまだ①と②を担うために③の選手がやってくれたのですが、その③をしてくれる選手がいなくなってしまったということです。
その一方で、マンチェスター・ユナイテッドから復帰した香川真司選手は、そのまでの②の役割を担っていましたが、前線にロイス選手といったより高レベルな②の選手と、③を担っていたギュンドアン選手の移籍もあって、役割が少しずつ③に変わっていきました。
ここ数年は、得点数が減った代わりに、得点の起点となるキーパスを香川真司選手が出しているケースが増えました。
つまり、完全に仕事が③に変わったということですね。
事実、香川真司選手がいない試合はゲームメイカー不在となり、前線の選手たちが困っている姿をよく見ます。
なので③の役割はむしろ、今の香川真司選手にとってはうってつけの役割と言えます。
ではなぜ今も日本代表では活躍できないのかというと、日本のファンやチームメイトは、今でも香川真司選手の役割を①、②だと勘違いしてしまっているのです。
事実、今も試合に出ると常に得点を期待されています。
とはいえ香川真司選手が代表で入ることが増えたポジションのインサイドハーフは、本来はゲームメイクが主な仕事で②もできればなお良し、①に関しては前線の3人のアタッカーが担わなければなりません。
それなのに批判するファンは、「点取れ」と、とんでもないブラック企業も真っ青な要求をしています。
これは、全くのお門違いとしか言いようがありません。
香川真司が活躍するためのシステムはこれだ!
ただ、幸運なことに今の日本には世界トップまでとは言わずとも、世界的にも十分通用するCFが出てきました。
大迫勇也選手ですね。
大迫勇也選手がワントップで体を張ってくれるのであれば、香川真司選手は②か③の役割に特化することができます。
香川真司選手に②の役割を任せるのであれば、僕はこのフォーメーションを推します。
大迫
乾 香川 岡崎
大島 長谷部
長友 槙野 吉田 酒井
中村
前線でポストプレーでタメを作れる大迫勇也選手の周りを常に香川真司選手が狙い、乾貴士選手と岡崎慎司選手の運動量コンビでサイドの上下運動を繰り返し、昨日活躍していた大島僚太選手のような縦パスを入れてゲームの流れにスイッチを加えるゲームメイカーを置けば、香川真司選手の②の能力を最大限に生かすことができるはずです。
そして冒頭でも動画を貼りましたが、なんてったって香川真司選手と乾貴士選手の相性は抜群なので、左サイドが日本のストロングポイントになることでしょう。
逆に、香川真司選手にドルトムントと同じような役割を期待するのであれば、このようなフォーメーションが適切になるでしょう。
大迫
宇佐美 岡崎
山口 香川
長谷部
DF以下は同じとして、3トップにするのであればより決定力のあるウィングを置きたいところですね。
とすれば、左サイドは乾選手より得点力と攻撃センスに優れた宇佐美選手を置きたいところです。
香川真司選手は③の役割に集中して3人を動かしてもらいつつ、機会を見て②のタスクも果たしてもらいます。
その際に大事なのが守備で、大島僚太選手よりもより守備に強度を持つ山口を入れたいところです。
香川真司に与える役割を理解することで代表観戦が面白くなる
この記事を読んで納得できた人はですね、ぜひ今後ただ特定の選手に対して、活躍できない背景を一切考えずに目の前の数字だけを見て、「ダメだ」と批判することはしないで欲しいです。
香川選手は日本でも最高の選手であり、多くの方の批判はそもそも評価するべき論点がずれてしまっていることも時たまあります。
香川はもっと活躍できる選手だと僕は思うのです!
悲観ばかりせず、選手たちの可能性を信じて応援していこうじゃありませんか!
頑張れニッポン!
日本代表の欧州メンバーの活躍をチェック!
気づけば、日本代表メンバーの半数以上が欧州組になりましたね。
日本代表選手たちの普段の試合は地上波テレビでは追いかけることができないので、別の視聴媒体で追いかける必要があります。
せっかくなので、僕がいつも確認しているYouTubeチャンネルを一覧で載せておきますね。
リーグ(国) | 視聴媒体 |
日本代表 | JFATV |
CL/EL | WOWOW |
リーガ・エスパニョーラ(スペイン) | DAZN Japan |
プレミアリーグ(イングランド) | SPOTVNOW |
ブンデスリーガ(ドイル) | スカパー! |
セリエA(イタリア) | DAZN Japan |
リーグ・アン(フランス) | DAZN Japan |
プリメイラ・リーガ(ポルトガル) | DAZN Japan |
ベルギー・プロ・リーグ | DAZN Japan |
スコティッシュ・プレミアシップ(スコットランド) | SPOTVNOW |
Jリーグ(日本) | Jリーグ公式チャンネル |
ぜひ参考にしてもらえればと思います!毎週末チェック!
2ちゃんねるサッカー板のまとめに関しては、こちらの3つのサイトがおすすめです。
日本代表サッカーファンみんなで、蒼きサムライたちの活躍を応援しましょう!
