ついに、メンバー発表前の親善試合が全て終了しましたね。

前のアメリカ戦の出来とは別に、

今回のエクアドル戦については、評論家や掲示板では結果とメンバー選考に関して賛否両論あるようです。

が、僕個人としては本番に向けて、森保監督は納得のいく試しができたのではないかと思います。

それくらい、この2戦を通して日本代表が本気でベスト8を狙っていく姿勢が表れた戦い方とメンバー選考を見せていました。

日本代表0-0エクアドル


一昨日の対戦相手のエクアドルは、FIFAランキングでは日本よりも下の44位ですが、とはいえ毎回熾烈な出場争いを演じる南米予選を4位で通過した実力のある国です。

最新FIFA世界ランキング | 男子サッカー・日本代表

ちなみに、3年前のコパ・アメリカではグループステージで対戦し、ガチンコA代表相手に日本の若手主体の代表が1-1の引き分けでしたね。

世界的に有名な選手こそ少ないですが、欧州の5大リーグに所属する選手を多数抱え、高い強度を誇るチームです。

今回のスターティングメンバ―は、

古橋

三苫 南野 堂安

柴崎 田中

長友 伊藤 谷口 山根

シュミット

前回のアメリカ戦から全員を入れ替えました。

両チーム共にワールドカップでスタメンに割ってはいるであろう選手を起用したこの試合は、互いに決定的なチャンスも生まれスコアレスではあったものの良い試合でした。

本番を見越したターンオーバー


このエクアドル戦での森保監督にとっての大きなテーマはズバリ、

「スタメンをターンオーバーしても攻守共に強度の高い試合を保てるか」

であったように思います。

というのも、今回のワールドカップのリーグ日程は

  1. ドイツ
  2. コスタリカ
  3. スペイン

となっています。

2022年カタールワールドカップ│グループリーグ・決勝トーナメント組み合わせ

つまりは第1,3戦は手が抜けない試合になるのですが、今回のワールドカップの日本代表の目標はベスト8進出です。

リーグ3戦全てをベストメンバーで臨んでしまうと、リーグ突破できたとしても3試合分の疲れでベスト16の試合で当たるであろうベルギー相手に、その状態で太刀打ちすることは難しいと言わざるを得ません。

となると、この3試合のどこかでターンオーバーをしてベストメンバーを休ませる必要があるのですが、もちろんドイツ戦でそのようなことはできません。

なぜなら、第1戦というのはその後の試合の流れを決める大事な試合だからです。また、勝利して勝ち点3を積み上げることによる精神的な余裕が生まれます。

そういう意味で、第1戦はベストメンバーで臨まなければなりません。

第2戦か第3戦がターンオーバーをする試合となりますが、ここが大きな賭けとなります。

選択肢は2つです。

  1. コスタリカ戦でターンオーバーをする
  2. スペイン戦でターンオーバーをする

コスタリカ戦でのターンオーバーが有力


恐らく、このエクアドル戦では森保監督は前者を選ぶためにターンオーバーをしたと思われます。

コスタリカ戦でターンオーバーすることにはメリットがあります。

  • ベストメンバーを休ませることができる
  • ドイツ、スペインよりも格下となるため、サブメンバーでも勝利を望める
  • ドイツに負けても2の理由に加え、次のスペインではベストメンバーを勝ち点を取り返せば突破の可能性はある

スペイン戦でターンオーバーをするとなると、ドイツ戦の勝利は前提条件であり、第2戦もベストメンバーで臨むためここも勝ち点3を落とすわけにはいきません。

ですが万が一コスタリカに負けてしまうと、第3戦では勝利が絶対条件となるため、ベストメンバーで望まざるを得なくなります。

そうなるとターンオーバーができず、仮にグループステージを2位突破しても3戦全てを戦い尽くしたベストメンバーに、ベスト16でベルギーを相手に勝利することは前回大会よりハードルが高くなります。

であるなら、コスタリカ戦でサブメンバーが必ず勝ち点を積み上げてくれるのであれば、第2戦がターンオーバーとして適切であると言えます。

ドイツ戦で負けるという、最悪の状況で考えてみましょう。

  1. ドイツ:×
  2. コスタリカ:△
  3. スペイン:○

コスタリカ戦でたとえ引き分けたとしても、スペイン戦で勝てばまだ望みは残ります。

  1. ドイツ:×
  2. コスタリカ:○
  3. スペイン:○or△

コスタリカ戦で勝利できると、スペイン戦はもしかすると引き分けでも大丈夫になる可能性があります。

これがもしドイツからも勝ち点を1か3稼ぐことができたとするなら、コスタリカ戦はは最悪引き分けを狙い、スペインとガチンコで戦う戦略を立てることもできます。

なんにせよ、ターンオーバーができなければ良くてベスト16で終わり、ターンオーバーできてかつグループリーグも突破できれば、前回よりも強力なメンバーで臨む故、ぐっとベスト8への道が開けます。

森保監督を含め日本代表スタッフ陣は、オリンピックではターンオーバーを上手くすることができませんでした。

特に遠藤選手の疲れが顕著で、決勝トーナメントでは試合を追うごとにコンディションが落ちているのが印象でした。

逆に、前田選手や三笘選手は途中出場で結果をの残すメンタリティを見せつけたこともあり、今大会では必ずベストメンバーかサブ組のターンオーバーで使わせることでしょう。

大会期間中はサブメンバーは試合がないからこそコンディションが上がりにくいのですが、だからこそ自分でコンディションを上げることのできるサブメンバーは重宝されるんですよね。

三笘選手はやはりベストメンバーとしてスタートから出るよりも、日本も相手も疲れが出てきて中盤が間伸びした後半の半ばからジョーカーの起用が一番です。

とはいえ、ターンオーバーとしてサブ組の前半から出てもチャンスを作れる力も示しました。

間違いなく、ベストメンバーとしてスタートからは出ないとしても必ず全試合に絡んでくるはずです。

本番でも通用する控え組DFラインの堅さ


ターンオーバーをする場合、最低限必要となるのが、失点をしないことです。

他の試合でも当たり前ではありますが、コスタリカ戦は失点をしなければ最低でも勝ち点1を得ることができます。

4チームでのグループリーグにおいて、この1という数字はそれはそれは大きな存在です。

そういう意味で、絶対に失点しないサブのDFラインの組み合わせを探すのが今回でしたが、出場した4人はそれを見事にやってのけました。

確かに、長友選手は残念ながら今の時代に求められる「SBから攻撃を作る」力はないものの、カバーリングや対人の強さはさすがと言えます。

そこはやはり経験がものをいう力なので、長友選手は守備を固めたい時にこそ必要な選手です。

年齢的なところでフル出場はできませんが、それでもエクアドル戦では後半の半ばまで自分のタスクをキッチリとこなしました。

また、伊藤選手はアメリカ戦では左SBとして、エクアドル戦では左CBとしてのポリバレントさも披露しています。

エクアドル戦では、対人の強さはやや劣っていたものの、やはりビルドアップの面でガンガン縦パスをボランチだけでなく、追い越して2列目にも付けることができるのが魅力ですし、その力を見せてくれました。

ボランチを追い越してパスを付けれるということは、2列目の選手がボランチに丁寧に落とすことができたら、ボランチは前を向いて仕事ができますからね。

谷口選手、山根選手のフロンターレコンビも、南米4位の実力国を相手にも強度で負けないことを見せてくれました。

エクアドル戦のDFラインの出来は、森保監督にとってコスタリカ戦でターンオーバーをするに当たって、背中を押してくれるプラス材料だったはずです。

途中交代で流れを引き寄せるスタメン組


前半から後半の半ばまでをしっかりとサブメンバーが耐えてくれることで、最後の試合の締めをベストメンバーに託すことができます。

疲れた相手に対してベストメンバーを要所要所に配置することで、強度を上げることに加えて、点数を取りに行くこともできるでしょう。

そういった実験もエクアドル戦ではできたので、ターンオーバーとベストメンバーによる締めを試せたこの試合の実りは大きかったと言えます。

試合に出ていないから落選するわけではない


最後に、試合に出ることのできなかったメンバーについても触れておきます。

これも僕のコーチの経験上、招集はしたけど出さない判断をする場合が監督にはあることを理解しています。

それは自分の目でトレーニングする姿を見てコンディションや怪我に不安があったり、出す予定はないけど次回の招集を見越して活動期間中にコミュニケーションを取ったりと、様々な狙いが監督にはあります。

1試合・1代表ウィークという短期目線で日本代表の活動を見てしまうファンからは、なかなか理解できないかもしれませんが、マネジメントってのは大きな目標に向かって長期的な準備ができるからこそ務めることができる仕事です。

そういう意味では、今回に限っては”招集されること”が選手には重要でした。

他の招集メンバーと関わる時間を与えられることは、その先も考えている可能性が高いです。

ですので、今回出番がなかった旗手選手や瀬古選手もまだワールドカップメンバーに選ばれる可能性は十分にあります。

逆に言うと、この2戦で選ばれなかった選手にはもうチャンスはありません。

怪我であれば仕方ないことなのですが、サプライズはありません。

サプライズ招集をして上手くいくことは、日本以外の他の国でもほとんどありません。つまりはリスクの方が高いと言えるわけですが、慎重派な森保監督がそれをすることはないでしょう。

大迫選手は選外となります。

森保監督としては大きな手応えとなった2試合


今回の2試合を通して、森保監督と日本サッカー協会がこの歴史上最も難しいリーグを突破して、初のベスト8進出を目指していることが伺えました。

メンバー選考に関して、これまで散々批判されてきましたが、素人目から見ると良い選手は試してほしいと思うものの、とはいえスタッフ陣からするとそれはかなり難しいと言わざるを得ません。

僕自身、部員を100名近く抱える強豪校のサッカーコーチの経験もあるので、冒険しないと言われる森保監督の姿勢も理解できます。

森保監督は選手を見るだけでなく、チームを作る人間です。日本代表チームを作るためには、時間の制約が大きいのです。

その中で試せる選手は限られますし、結果を残していたとしてもコアメンバーとスカウティングの時点で相性に難があれば招集はしません。戦術だけでなく、チームの和を崩すようなことも同様です。

やはり、アンダー世代を経験している選手とそうでない選手の間にも、招集されるかどうかのラインが引かれているのも事実です。

少ない時間で連携を高めるには、ゼロベースよりもある程度一緒にやったことのある経験がものを言います。

予選であっても誰彼構わず招集するのではなく、慎重にメンバーを選んでチームを作り、しっかりと堅くまとまったチームを作ったのではないかと僕は思います。

11月1日はワールドカップのメンバー発表


いよいよ、あと1ヶ月後にはメンバー発表となります。

それぞれのチームに戻っても、引き続き試合で結果を残す姿が見られますね。

どんなメンバー選考になっても、我々は最後は必死に応援するだけ!

頑張れ、ニッポン!

日本代表の欧州メンバーの活躍をチェック!


気づけば、日本代表メンバーの半数以上が欧州組になりましたね。

日本代表選手たちの普段の試合は地上波テレビでは追いかけることができないので、別の視聴媒体で追いかける必要があります。

せっかくなので、僕がいつも確認しているYouTubeチャンネルを一覧で載せておきますね。

リーグ(国)視聴媒体
日本代表JFATV
CL/ELWOWOW
リーガ・エスパニョーラ(スペイン)DAZN Japan
プレミアリーグ(イングランド)SPOTVNOW
ブンデスリーガ(ドイル)スカパー!
セリエA(イタリア)DAZN Japan
リーグ・アン(フランス)DAZN Japan
プリメイラ・リーガ(ポルトガル)DAZN Japan
ベルギー・プロ・リーグDAZN Japan
スコティッシュ・プレミアシップ(スコットランド)SPOTVNOW
Jリーグ(日本)Jリーグ公式チャンネル
欧州主要リーグの視聴媒体一覧

ぜひ参考にしてもらえればと思います!毎週末チェック!

2ちゃんねるサッカー板のまとめに関しては、こちらの3つのサイトがおすすめです。

日本代表サッカーファンみんなで、蒼きサムライたちの活躍を応援しましょう!

カテゴリー: FOOTBALL日本代表

まつを

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