広島はもうじき終戦記念日で灯篭流しがあるようですが、コロナの影響で規模を小さく行うそうで。
見たかったなあ、、残念!
話を本題に戻して、前回のパス回しの記事から時間が空いてしまいましたが、今回の記事では前回の続きのより実践寄りの質の高いトレーニングを紹介していきます。
この記事を読んでくださっている方は、恐らく前回の記事を読んでまずは基本のトレーニングでパスの精度を高めてくださったかと思います。
今日はですね、より実践を意識して相手を付けた応用編になります。
この記事内で取り上げる練習を通して、実際の試合でも相手より高いポゼッション率を実現できるようになることを目指しましょう!
パスの基礎が身に付いたらパスゲームトレーニングに移ろう
パスの技術の向上には、前回の記事で挙げたような練習をとにかく繰り返し行うことが近道です。
地味な練習ではありますが、
基本がどれほど大事かわからんのか‼
ダンクができようが何だろうが基本を知らん奴は試合になったら
何もできやしねーんだ‼
byゴリ『スラムダンク』
とスラムダンクのゴリよろしく、基礎の積み重ねの上に応用は効くものです。
とはいえ、いつまでたっても基礎練習ばかりをしているようだとこれはこれで試合で何もできないんですね。
基礎の練習である程度の手応えを掴めたら、一旦応用編の練習にもチャレンジしてみましょう。
すぐにできなくても大丈夫です!
応用編に対応するために必要な技術を、また基礎練習の反復で身につけて再チャレンジしましょう。
では、ここからは応用編となるパスゲーム3種類を紹介していきます。
パスゲームの目標:連続で10本のパスを回そう
パスゲームは相手を付けて行う練習ですので、より実際の試合に近い場面が多く現れます。
ですので、そういった試合とに似た形になった際でもいかにボールを失わないかがカギになるんですね。
僕がコーチ時代に教えていただいた指導法の一つに、トレーニング一つ一つにチーム全体の目標を掲げるというものがありました。
選手個人の目標はコーチが選手にトレーニングの都度与えるものではありませんが、チームとしてどんな目標を持つべきかはコーチが決めて、選手たちがどんな目標に向かうべきかの道筋を示さねばなりません。
そういう意味では、僕はパスゲームには
【チーム目標】ボールを保持しているチームはパスを10本以上回そう
という目標をチームに与えていました。
選手のスキルによっては、もちろん数字の前後はあるかと思います。
とはいえ目標がないまま練習をさせてしまっては、選手たちも「この目標を超えてやろう!」という気を持てず、質を高くすることは難しいと言えます。
もちろん中には自分なりに目標を持って取り組む選手もいるでしょうが、
なかなかそれは少ないのではないでしょうか。
であればやはり、選手たちのトレーニングへのモチベーションを高めるためには、コーチが働きかけなければなりません。
パスゲームの目標を伝えたところで、実際にトレーニングに移っていきましょう!
4対2

- 7m×7m(狭くてパスがつながらないようなら8m×8m)
- まずは2タッチアンダー(5~8分)→1タッチのみ(3~5分)
- パスを10本つなぐことができたら、貯金1(DFにカットされても1回はチャラになる)
こちらのトレーニングはサッカープレイヤーを続けてきたら必ず知っているであろう、いわゆる『鳥かご』です。
前回の記事では4対1まではやりましたが、それとの大きな違いは
人数が増えたことで、DFの2人はチャレンジアンドカバーができる
構造になっている点です。
つまり、自分にプレスをかけてきている相手DFの後ろにも、虎視眈々とパスカットを狙っている2人目のDFがいるわけです。
数的優位のポジショニングを意識しよう
このような構造を踏まえた上でボールを回す選手たちが意識すべきポイントは、
- パスの出し手=自分が出そうとしている味方と相手DFの距離間
- パスの受け手=出し手が自分にパスを出しやすいポジショニング
です。
相手DFが近くにいるのにパスを出してしまうと、やはりすぐにプレッシャーをかけられてしまいボールを失う可能性が上がります。
また、出し手のパスの出しやすさを考えないポジショニングだと、出し手は誰にもパスを出すことが出来ずに相手DFのプレスに引っかかってしまいます。
このトレーニングの詳しい解説については、こちらの記事を確認してみてください!
6対4
次のトレーニングは、お互いに2人ずつを増やして行います。

14m×14m
パスを回す側が2人増えたとしても、相手も2人増えていてコートの中は必然的にスペースが狭くなります。
となると、パスを回す側に必要なことは、とにかくシンプルにプレーすることです。
このパスゲームもドリブルをする必要はなく、できる限り1タッチ2タッチでボールを捌きたいところです。
外→内→外を意識しよう
その中でも特に意識してほしいことが、
- DF4人を6人で囲むのではなく、必ずDF4人の真ん中に1人が陣取る
- 真ん中に陣取る選手を上手く使いながら、相手DFを広げさせず真ん中に密集させる
この2点になります。
これは6人がパスをスムーズに回すために必要なことになるのですが、可能な限りDFは狭いスペースに密集させたいのが狙いです。
というのも、もしDFが外に広がってきてしまうと、余裕をもってDFを囲みながらパスを回すことが出来なくなってしまいます。
では、どう密集させるのかというと、DF4人の真ん中に必ず誰かが陣取る必要があるのです。
その真ん中の選手にパスを出すことで、必然的にDF4人が真ん中の選手に気を取られ、そしてプレスに行くためギュッと真ん中に密集してきます。その隙にすぐに真ん中の選手はシンプルにパスをまた外の選手に捌くことで、外で余裕をもって回す時間が生まれるのです。
とはいえ外で回しているとまた4人のDFは広がってくるので、タイミングを見計らって密集させ…を繰り返し行っていると、パスを連続で回すことが出来るのです。
このメニューの狙いは、相手DFをどこに密集させ、どのスペースを広げるかを学ぶことになります。
6対6
いよいよ最後が、同数でのパスゲームです。

コートを広く使うことを意識しよう
このトレーニングでは、4対2と6対4で学んだ
- ポジショニング
- 相手DFの誘導
でスペースを空けつつ、スペースにタイミングよく選手とボールを流していく必要があります。
そのためには、6人全員がボールウォッチャーにならず、必ず1人はボールには敢えて関与せず、広いスペースに陣取ったり、スペースを空けつついつでも入れる準備をしておきます。
もちろん、これは誰か1人のタスクではなく、全員が頭に入れておかねばなりません。
「チームで動く」とはそういうことなんですね。
パス回しはあくまでも相手の守備陣形を崩すための手段
今回の記事ではパス練習の応用編として、パスゲームを3種類と意識すべきポイントを紹介してきました。
最後にもう一つ、全てのパスゲームを実施する上で絶対に忘れてはならないポイントがあります。
それは、
パスを回すことを目的としてはいけない
ということです。
サッカーはどれだけたくさんパスを回したかで得点が入るスポーツではなく、例えゴールキックからそのまま相手のDFラインの裏に抜けてパス1本でゴールをしても得点と認められるスポーツです。
そのため、選手たちにも常にこのパスゲームはあくまでも
試合を有利に進めるため
であって
パスをたくさん回すため
でないことを意識させなければなりません。
では、どうすればそのような意識を持たせることができるのでしょう?
それはパスゲームの次のトレーニングで必ず、ゴールを奪ったりラインを突破することを得点とするトレーニングを入れることです。
てなわけで、次回はより攻撃を意識したパス回しのトレーニングを解説したいと思います。