試合に出るチャンスを掴むには?監督を認めさせる2通りの方法のメリット・デメリットを解説!

記事の更新が止まってしまった理由を、夏バテということにしておきたいまつをです。

根っからの道産子にとって広島の夏は殺人的な暑さでして、夏休みの実家帰省は最高の避暑期間となりました。

が、夏休みの11連休で遊び過ぎて、全然仕事モードに戻れません。(苦笑)

さて、本日はコーチ時代に選手たちからよくあった

試合に出るにはどうしたらいいですか?

という質問について考えていきたいと思います。

なかなか試合に出れない選手たちは、当然ですがこのことで頭を悩ますものです。かくいう僕も、学生時代にベンチを経験したこともあり、この質問をしたくなるのは痛いほどわかります。

サッカーとは別に、例えば仕事においては

  • 上司から気に入られるにはどうしたらいいだろう?
  • 管理職から認められて、役職を手に入れるにはどうしたらいいだろう?

と考えることがあるのではないでしょうか。

僕自身、出世したい欲が無いと否定はしません。給料上げたいですし、責任のある仕事は難しくて面白いですからね。

とはいえ、ただ黙ってじっとしているだけでは試合に出ることも、昇進することもできません。

では、どうしたらそのようなチャンスを掴むことができるのでしょうか。

結論から言うと、この疑問を解決するには2通りの方法しかないと僕は思っています。

  1. 自分から監督にアプローチをかけるか
  2. 実力を上げて周囲を認めさせていくか

の2通りです。

今回の記事では、この2通りの方法には

  • それぞれどういったメリットやデメリットがあるのか
  • それぞれの方法が合うタイプとは

について解説していきます。

試合に出れずに悩んでこの記事に行き着いた選手に、何かハッとした気づきがあれば幸いです!

それではいきましょう!

自分でチャンスを掴みにいく


一つ目の方法は、自分から変化を起こしていくものです。

他人に行動を起こさせることほど難しいことはありませんが、逆に自分で行動を起こすことほど簡単なものはありません。

この方法はチャンスをもらうために今すぐにできる行動できるので、大事なのは自分の「チャンスを掴んでやる!」という熱い決意になります。

決意した上で、監督に直談判しに行くことでチャンスへの近道が開けます。

出発点は自分がすぐに行動を起こすことではありますが、とはいえ監督にも”自分を起用してもらう”という行動を起こしてもらわねばならないため、この後に紹介するデメリットを事前に把握し、潰しておいてから行動を起こすようにしましょう。

その前に、まずはこの方法のメリットから紹介していきます。

メリット:チャンスを得るまでの時間を削減できる


試合に出るために自分から行動を起こすメリットの1つは、チャンスを得るまでの時間を削減できることです。

一番手っ取り早いのは監督や自分のカテゴリーのコーチに、直接自分を売り込みにいくことです。

そうすることで、「お、この選手はやる気があるな。次の試合でチャンスを与えてみても良いか」と思わせることができます。

自分が行動を起こすことで、監督の頭に、「あの選手は試合に出たがっている。チャンスを掴もうとしている」という意識を植え付けることができ、それが監督の行動を変えるきっかけになります。

ただし、きっかけにはなりますが、必ずしもすぐに試合に出るチャンスが来るとは限りません。

そこは監督も試合の状況や、リーグでの勝ち星の有無を確認しながらにはなるので、「監督に直談判したからすぐにチャンスをもらえるぜ~(ニヤニヤ)」と期待しすぎるのは危険です。

とはいえ繰り返しになりますが、じっと待っているよりはずっと試合に出るまでの時間が縮まることは間違いありません。

メリット:大きな意欲と主体性がみられる


2つ目のメリットとしては、自分を売り込んでくる選手はやはり監督の目に、”やる気がある”ように見えることです。

また、自分から行動を起こすという点で主体性も垣間見えます。

サッカーにおいて、主体性ほど重要な姿勢はありません。なぜなら、試合では常に主体的に自分のプレーを選択していかねばならないからです。

いちいちどうプレーすべきかを悩んで、主体性に欠けるハッキリしないプレーばかりしている選手を監督は使いたいでしょうか?

【まつを小話】

僕はコーチ時代に、引き分けでスコアが進んでいる試合の途中で、やはりベンチの選手から直接

「僕を使ってください!」

と直談判されたことがあります。

強豪校だったので自己主張の強い選手は多かったのですが、いざ試合になるとそこまでアピールしてくる選手って意外と少ないんですよね。

大事な局面でそこまで明確にアピールされると、指導者としては「この状況に怖気ずに要求してくるなら、試してみても面白いかもしれない」と思うのだから不思議ですね。(笑)

結果として、その選手は途中から試合に出てチームの決勝ゴールのアシストをしました。

それが自信につながったのか、その後メキメキと成長していきました。

意思表示をしてくる選手は、よほど性格がねじ曲がった独裁指導者でなければ、嬉しいものです。

指導者としても、自分と対等の立場でサッカーに真剣に向き合ってくれていると思えるからです。

デメリット:ある程度の実力がないと門前払いされる


ここまでメリットを伝えてきましたが、何か行動を起こすとき必ず悪い面もありますよね。

この方法ももちろん例外ではなく、監督に直接アプローチをかけても門前払いされることがあります。

それは、そもそも試合に出る最低条件をクリアしていない場合です。

例えば、自分が所属するカテゴリーの一つ上でのチャンスをもらいたいのであれば、

  • FWであれば、「自分が所属するカテゴリーで一番得点を取っている」
  • MFであれば、「自分が所属するカテゴリーで一番アシスト数が多い」
  • DFであれば、「自分が所属するカテゴリーでビルドアップのミスがほとんどない」

などといった成果があると、監督としては「試合に出してもさすがに場違い状態にはならないかな」と考えます。

ですが、自分のカテゴリーで目立った成果がないのであれば、「まずは自分のカテゴリーで頑張ってね」と言われて終わりです。

そして監督に直談判に行く際は、最低でも

  1. 自分の強みと弱み
  2. それをチームにどのように還元しようと考えているか

という2点をきちんと説明して、監督を説得できなければお話になりません。

【まつを小話】

先ほどの2つ目のメリットで例として挙げた選手は、同じカテゴリーの中でのチャンスの話でしたが、彼はその試合にスタメンでは出していなかったものの、スタメンの選手たちに引けを取らない強みがあることを練習の段階から僕は知っていました。

スピードはないけれどトレーニングを積む中でテクニックが上達していたので、後半に相手が疲れた状態であればサイドをドリブルで崩せるのではと考えて、彼を投入しました。

その結果、見事彼はサイドを崩して素晴らしいクロスを配給し、チームの決勝ゴールをアシストしました。

監督への直談判内容が明確に言語化できていて、ある程度の実力が備わっているという自負があるのであれば、迷わずチャレンジを!

逆にこの2点がクリアできていないのであれば、自分の置かれている立場でコツコツと練習しましょう。

デメリット:及第点という評価は存在しない


自分で行動を起こしてチャンスを掴みにいくことには、実は大きなリスクをはらみます。

それは、監督の予定を覆すお願いをすることになるため、監督が当初使うはずであった選手を上回る結果を残さねばならない点です。

監督が使う選手と同じ出来では、決して許されないのです。

僕も指導者をしてきた身として、極力自分が試合までに準備したメンバー選考と試合運びで戦いたいと思うのです。

もちろん自己主張してくることを否定はしませんが、試合出場を要求するのであれば等価交換が原則です。

普段だと、試合での選手たちの評価は

  1. Good
  2. 及第点
  3. Bad

3つの軸になります。

ですが直談判で出場をもぎ取ろうとする選手に対しては、良し悪しの2択に絞られます。

「ほかの選手を差し置いてまでお願いするのであれば、良いプレーを見せてくれるよね?」

と指導者は考えます。

そこで及第点のプレーをされても、それなら自分で選んだ選手でも良かったと思ってしまします。そしてその直談判してきた選手に対する次のチャンスは、他の選手たちに与えてからの後回しにされることは覚悟しておきましょう。

繰り返しになりますが、自分でチャンスを掴みにいく場合は、必ず結果を残さねばなりません。

人は誰しも、自分の予定を狂わされると多少なりとも嫌悪感を感じます。

もちろん、そういうことは大歓迎という人もいますが、みなさんも自分の身に置き換えても想像はできますよね?

アクシデント対応は、いささか面倒です。

とはいえ、ここで活躍できた時には評価が一気に覆されます。

選手にとってはハイリスクハイリターンなので、その点を理解して直談判に行きましょう。

この方法がおすすめな人は?


以上のメリット・デメリットを踏まえて、

  1. 自分の今の実力に自信を持っている
  2. プレッシャーに強い
  3. 目上の人にも自分を主張できる

というこの3点の観点を満たしている選手であれば、この方法をおすすめすることができます。

ですが一つでも欠けている場合は、おとなしくメンタルと実力を鍛えることに専念しましょう。

自信のない人がこの方法を取ってしまうと、返って逆効果になってしまいますのでご注意を!

「あの選手は口だけだな」

となってしまうと、その評価を覆すには並大抵の努力じゃ済まされません。

海外リーグでプレーする選手たちのインタビュー記事を見ると、海外チームでは自己主張をしない選手はやる気がないとみなされてしまいます。

そのため、海外で活躍する日本人選手たちは、海外の選手たちにも引けをとらない自己主張を身につけてこそ、チャンスをもらえるようですね。

ですがその裏には、その自己主張を裏付ける実力と自信が備わっていなければ、いざチャンスを目の前にして結果を残すことはできません。

実力を上げて周囲を認めさせていく


では次に、2つ目の方法を紹介していきます。

こちらは、自分の練習姿勢や成長具合を見た周囲が評価してくれて、その声が監督にまで届いてチャンスをもらうものです。

この方法は1つ目とはまったく異なり、自分から監督に直接アプローチをかけることはしません。

そうではなく、自分の置かれている立場で小さな結果を残し続け、それが周囲に認められて「あなたはデキる選手だ」という信頼を獲得し、監督にまで実力を認めさせていくのです。

この場合、やるべきことは至ってシンプルで、日々の練習に全力で取り組み、小さな結果を残し続けていくことです。

自分から声を上げることはないものの、来るべきチャンスに備えて準備をし、小さな結果を継続して残していくことで、周囲から「あなたはチャンスが来た時にもやってくれるかもしれない」と思わせるのです。

では、一体この方法にはどんなメリットとデメリットがあるのでしょうか?

メリット:周囲からの信頼が厚いことで悪い印象に変わりにくい


このメリットは周囲が認めてくれていざチャンスを掴んだ際のものになりますが、周囲からの信頼が厚いことで多少のミスに対して監督や周囲は目をつぶってくれます。

自分でアピールしてチャンスを掴みにいく方法だと、1つのミスが大きな命取りとなります。

ですががこの方法でチャンスを掴むことができると、「今回はミスしたけれど、これまでの結果の積み重ねがあるので次回はやってくれる」と、評価が一度で落ちることはありません。

また、この場合はGood or Bad ではなく及第点でも十分となります。

監督としても、周囲に認められた選手で、かつ最終的には自分の判断で選んだ選手を、そう簡単に無下に扱うことはしません。

もちろん指導者によっては例外がありますが、比較的長い目でチャンスを与えてくれるでしょう。

メリット:主導権を握ることができる


2つ目のメリットは意外と盲点ですが、実力を周囲に認められてのし上がってきた場合、他の選手からの信頼と同じく監督からの信頼も得られる場合が多いです。

監督によっては、「君はどうしたい?」と聞いてくれる人もいるでしょう。

つまり、ある程度の主導権を任されることがあるのです。

その時に、「僕は○○のプレーが得意なので××のように使ってください」と自分がよりプレーしやすいような要求を自然にすることができますよね。

1つ目の方法だと、「試合に出るチャンス」という大きな要求を既にしてしまっているため、この+αの要求ができません。

もちろん加えて要求するのは自由ですが、監督の立場に立って考えると、「こいつ図々しいヤツだな、面倒だな」とマイナスなイメージを持たれてしまうため、ここでもまた評価のハードルが上がってしまいます。

デメリット:チャンスを得るまでに時間がかかる


ただ、この方法の一番の難点は、なんといってもチャンスを掴むのに多大な時間がかかるということです。

周囲から認めてもらうためには、自分一人だけで結果を残すのではなく、周囲と上手く連携してチームとしての結果を残していかねばなりません。

自分一人でも成果を残していくことである程度のし上がることはできますが、その場合、必ずしも周囲は信頼してくれているとは限りません。また、心からその人を認めているとも限りません。

「あいつばかり」と思われていては、周囲から敵とみられているのと同じです。

そうではなく、思わず周囲も監督やコーチに「あいつはすごいんです」と教えてしまう、そこまでの段階を目指さねばなりません。

そうすることで、先ほど紹介したメリットを享受することができます。

また、この方法は環境次第では超絶難しくなります。

例えば、メンバー全員がそれぞれの足を引っ張りあうようなチームだと、さらに評価を上げていくことに時間がかかります。

もちろん無理ではないのですが、ひたすら周囲を引き立てて自分は味方だと示すことに多大な時間を取られてしまい、

こういう場合は、個人での成果を上げていくことに集中するのが良いとも言えます。

環境によって個人の成果を挙げてチャンスを掴むか、周囲からの評価を携えてチャンスを掴むか判断するのがよいでしょう。

デメリット:意欲がみえにくい


1つ目のデメリットのようなお互いの足を引っ張りあうような場で、結果が出せずにもがき苦しんでいるとただ真面目にプレーしているだけの選手としての印象で終わってしまいまう。

もちろん、胸の内に熱い思いを秘めておくことも良いことではあるのですが、必ずしもいつもそれが正しいとは限りません。

敢えて周囲に、「いざというときは自分を前面に出す選手だ」と示すことは大事です。

周囲の選手を引き立てようとし過ぎて、逆にいいように利用されてばかりでは、自分をアピールできずにいつまでも試合に出れない日々を過ごすことになるでしょう。

この方法がおすすめな人は?


この方法は、

  1. 時間や周囲の評価に焦りを抱かない
  2. 自分と向き合ってコツコツとやるべきことを積み重ねることができる
  3. 自分でコントロールしたい

といった3つの特徴を持つ人におすすめです。

ぶっちゃけると、1つ目の方法ができない人はこれをして試合に出るチャンスを掴む他ありません。

結局のところ、試合に出るチャンスを掴むには、日々の取り組みを認めてもらわなければ、チャンスが巡ってくることはまずありません。

この方法も、海外で活躍する日本人選手たちに関する監督のインタビュー記事を読むと、大抵

「A選手は本当に練習の姿勢が素晴らしいんだ」

という評価をされていますよね。

例えば長谷部選手だったり、遠藤選手もそうですね。

そういった選手はチームでの絶対的な信頼があるので、周囲の選手や監督からマイナスの評価を下されることはありません。

結論:自分なりの方法で監督に実力を認めてもらおう


どちらの方法がいいよいうわけではないので、結局のところ自分に合った方法で監督を認めさせて、試合に出るチャンスを掴みましょう。

とはいえ元も子もないことをいうと、試合に出るのではなく試合に出て活躍するためにはどちらも必要なのでしょう。

この記事を読んでくれた人たちは、恐らくまだ試合には出れていない人が多いと思います。

ですがあなたがサッカーをするのは、試合に出ることが目的ではないですよね?

試合に出て、自分の納得できるプレーをすること、つまり言い換えると活躍することが最終的な目標のはずです。

そのためにはチャンスをもらって、周囲を認めさせ続けなければなりません。

やはりどちらも大事ですね。

また、どちらの方法も人の動かし方を学ぶことができます。

1つ目の方法は監督を動かし方を、2つ目の方法は周囲と監督の動かし方を学ぶことができるのです。

実は今回のテーマは、『人を動かす』という本から着想を得ています。

どちらも結局は試合で成果を出さねば意味はありませんが、そのチャンスを掴む過程でも学ぶことはたくさんあります。

ちなみに僕は、自己主張をするのが苦手だったので2つ目の方法で這い上がってきました。

であるとやはり時間がかかるので、他の人と同じ練習時間では到底試合に出れるわけないので、小学生のころから自主練は当たり前でしたね。

大阪のアマチュアクラブでも、リーグ戦出場のチャンスを得るまでに半年かかりました。

この時がサッカー人生の中で、一番長い準備期間だったなあ。(笑)

優れた指導者は、いつも練習に真剣に取り組むあなたを見ています。

そしてあなたにチャンスを与えるべきタイミングを、常に考えています。

そのことを忘れず、自分で掴みにいくか、今は待つべきかをあなた自身も考えて行動するようにしましょう!

本日の名言!


最後に、僕の大好きな名言で今回の記事を締めたいと思います。

チャンスは準備のできた者だけに微笑む

ルイ・パスツール

試合に出るチャンスを何もせずじっと待っていても仕方ないので、時には自ら行動を起こして掴みに行くことも必要です。

とはいえ行動を起こしても、チームの事情ですぐにチャンスを与えてもらうことができるとは限りません。時には、行動を起こした後も待たなければいけません。

そんな時にただ鼻くそをほじっているのか、それとも今の自分にできる最大限の準備をしておくのかで、いざチャンスを与えられた試合で残せる結果は大きく異なるでしょう。

今日この時から、チャンスを掴む準備をしていこうぜ!

といっても、今から「何したらええんや…」とお悩みのあなた。

まずは筋トレでもしますか。(笑)

参考にどうぞ。