まじか…。みなさんも同じ気持ちですよね。
グループリーグ突破に向けて重要な一戦でしたが、勝てませんでしたね…。
なんなら、引き分けにすら持って行くことができませんでした。
どうした日本…と言いたいところですが、まあぶっちゃけ今日の試合はこうなるよなと言わざるを得ません。
というのも、コスタリカが日本をよくスカウティングして臨んでいた上で、日本は5バックを相手に崩せたことがないことをよく見抜いていました。
森保監督のベスト8までの戦略と今日のゲームプラン
今日の試合は僕がこれまでの記事で述べてきた通り、やはりターンオーバーをしてきました。
というのも、ワールドカップは4チームで総当たりとなるグループリーグという構造上、ベスト8に進出するチームは二戦目までにリーグ突破を決めて、第三戦で首位を狙うのが一般的です。
ですが、日本はその第三戦でターンオーバーをしてしまうと、確実にスペインに負けることが容易に想像できます。
そのため、森保監督はこれまで出場してきたどの国もやったことのないような
第二戦でターンオーバーする
という戦略を立てました。
なぜ森保監督はターンオーバーの決断をしたのか?
ワールドカップの出場が決まってから、日本は代表ウィークの度に1試合目と2試合目のメンバーを総入れ替えしてきました。
それは招集した選手全員にチャンスを与えるという目的だけでなく、この本戦でのターンオーバーにおいて、誰が使えるかの見極めをずっとしてきたのです。
僕自身、なぜメンバーを総入れ替えするのか疑問に思っていましたが、前回の9月のアメリカとエクアドルとの2連戦でようやくこの狙いを理解することができました。
となると、浮かび上がるのはこのような論法です。
- 森保監督はずっと言われているようにベスト8を本気で狙っている。
- ベスト16では少しでも負担を減らすためにF組の1位ではなくの2位と対戦したい。
- そのためにも、グループリーグを首位突破したい。
- グループリーグを突破するためには、全勝はもちろん、ドイツとスペインの両方に勝利しなければならない。
となるとスペイン戦は、勝つためのメンバーで臨みたいのです。
スペイン戦で使うメンバーにベストコンディションで臨んでもらうためには、コスタリカ戦はターンオーバーせざるを得なかったのです。
前半を0で抑えつつ、後半にカウンターで仕留める
今日のコスタリカ戦のゲームプランは、
コスタリカが勝ちを狙って前からくる
ことを想定して、4-5-1のサイドに逆サイドへの展開力のある堂安選手と縦への突破力のある相馬選手を配置した、左サイドからの崩しを狙っていきました。
ただし、コスタリカ戦も勝ち星は落としたくないので、遠藤選手と吉田選手、板倉選手は変えずに、相手のカウンター対策もきっちりと行なっていたました。
ただ、ここでコスタリカは予想外のプランで仕掛けてきます。
それが、
勝たなければならない試合なのに5バックできた
ことでした。
前半に攻勢を仕掛けることができなかった理由
5バックを想定した布陣で日本は試合に臨んでいなかったため、森保監督は急遽プランを変更します。
それが、
前半を0点で抑えつつ、パスを回して相手の体力を削ること
でした。
なぜこのような消極的な選択肢を取ったかというと、
日本は5バックを相手に崩すことができない
からです。
そもそも、世界的に見ても5バックを崩すことのできるチームはそう多くはありません。
なぜなら、5バックに対抗する手段は「中央突破」であり、この「中央突破」はサッカーの攻め方において最も難易度の高い崩し方であります。
ピッチの真ん中、いわゆるセンターラインはチームの軸であり、そのラインにチームの核となる選手を配置します。言うなれば、お互いの上手い選手同士が配置されるのがピッチ中央のセンターラインなので、ここでは1つのミスが命取りとなります。
そのため、サッカーは基本的には真ん中を途中経由しつつサイドを崩し、最終的にゴール前で仕留めるのが主流というか無難です。
サイドを崩すためには、逆のサイドに相手を吊り出して、タイムング良くサイドチェンジをすることで数的優位、あるいはミスマッチを生み出して崩します。
つまり、横のボール運びでディフェンスをずらすのがサイド攻撃です。
では、中央突破はどうでしょうか?
中央突破は、横ではなく縦にディフェンスをずらします。そこで有効となるのがサイドチェンジではなく、縦パスになります。
この2点
- 縦パスを出せる選手が多い
- 縦パスを受けることができる選手が多い
を満たすチームは、中央突破という攻め方をすることができます。
では、どちらがより重要でしょうか?
縦パスを「出す」のは、前を向いていてスペースと時間の余裕があればできることですが、「受ける」にはセンターラインという相手に360度囲まれた密集地帯にポジションを取らねばなりません。
トラップミスはもちろん、トラップした後のパス・ドリブルミスが致命的となるので、「受ける」ためには相当な足元の技術と瞬間的な判断力が求められます。
鎌田選手と守田選手が不調だった
今日の試合でいえば、この「受ける」ことのできる選手が鎌田選手と守田選手でした。
が、肝心の両選手が絶不調でした。
恐らく、森保監督にとってはこれが一番の誤算だったと思います。
特に鎌田選手は、今日は再三のチャンスボールでことごとくタッチミスをして、相手にターンオーバーを喰らうという光景が何度もありました。
これはいつもの鎌田選手ではありえないミスでしたし、明らかに体が重そうでした。
守田選手も怪我明けということもあり、怪我を恐れてか相手から狙われる密集地帯でポジションを取るのを避けていたように思います。
そのため、中央突破ではなくサイドからの攻撃を試みようと日本はしたのですが、5バックはサイドを崩すことができません。ブロックが敷かれており、5バックの一番を外の選手を1対1で剥がしたとしても、すぐに3センターの1人がカバーに入ってきて潰されるのが目に見えています。
そのため、堂安選手も相馬選手もそう簡単に仕掛けることができませんでした。
それに、日本は「失点すること」を恐れていたため、迂闊にボールを失わないようにリスクを避けることを選ぶシーンが目立ちました。
昨日はドイツ戦に勝ったが故に前半はリスクをかけないように、そして5バックに対して中央を突破するキーマンの不調によって、攻勢に出ることができませんでした。
ただ、前半のラストで前に出て行かない選手に向かって鎌田選手が吠えていたシーンを見ると、プレーしている選手の中で前半は焦らずにいきたい選手と、前半で勝負を決めたい選手とで意思疎通ができていなかったように見えました。
というのも、調子が悪い中でもこの2選手が良いポジショニングをしている場面は度々あったのです。
CBが縦パスを指すことを躊躇してしまった
本来なら、鎌田選手と守田選手がセンターラインでボールを「受ける」ことのできる位置に来た時に、いつもであればスッと縦パスを指していたのが吉田選手と板倉選手でした。
ですが昨日は、奪われてカウンターで失点をしてはならないという意識が先行してしまい、彼らの良いポジショニングをスルーしてしまっていました。
そうなると、相手DFは横パスに対してはスライドするだけで良くなります。
中央突破の際にDFが一番嫌なのは、自分のディフェンスの矢印が前あるいは後ろに行くことになります。
先ほども言いましたが、横パスであれば目の前を横切るパスに対して、ポジションなり目線なりを横にずらせば良いのです。
ですが、縦パスだと、自分の後ろに通されてしまうと後ろを振り向いて、尚且つ後ろに向かって戻らなければなりません。
また、自分の目の前の選手にパスが出ると、後ろを気にしながら前に出て行かなければなりません。
これってめちゃめちゃストレスで、だからこそ縦パスは相手の視線を外すのにも有効で、尚且つそれを受けれる選手は超一流なのです。
そしてこの中央突破ができるチームこそ、優れた崩しの手段を持つ強豪と言えるのです。
残念ながら、日本はまだその域に達していない、訳では無いのですが、昨日はグループリーグの状況が彼らを凡庸なチームに押し下げてしまったといえます。
それくらい、グループリーグのプレッシャーって半端ないのです。
サイドで時間を作ることができなかった
縦パスを刺すことができないとサイドに流れざるをえないのですが、サイドは基本的に逆サイドを空けさせて展開するために時間を作るのが一般的です。
ですが昨日は結局ひたすら横にしか相手DFをスライドさせることができず、しかも相手は5バックという横スライドを全く苦にしないフォーメーションでした。
それゆえ、サイドで数的優位を作ることができず、逆サイドのDFを吊り出したり、時間を作って別の選手のフリーランの隙を作ることが全くできませんでした。
となると、当たり前ですが、逆サイドの人が中に入り込む時間も余裕もなく、いつものような逆サイドへの展開から一気に前へ出ていくことができなかったのです。
後半はメンバーが変わったものの、基本的な構造は一緒でした。
なぜなら、5バックに必要な中央突破をするために配置した、調子の悪いキーマンを二人とも最後まで出し続けていましたから。
失点のミスはコスタリカの我慢勝ち
このような崩せないと分かりきったボール回しをしていると、やはりどこかでフッと集中が切れてしまうものです。
昨日の失点は、コスタリカがこの1本をずーっと狙っていて、1試合に絶対に1回は訪れる隙をしっかり見逃さなかった結果でした。
吉田選手や伊藤選手を批判するのは簡単ですが、これは5バックを崩すプランを組めなかった時の対応を誤ってしまった監督のプランミスになります。
遠藤選手を柴崎選手に変えても良かった
僕の個人的な意見としては、思い切って遠藤選手を柴崎選手に変えても良かった気がします。
というのも、昨日のコスタリカを見ていた方は誰しもが「全然怖くねえ」と思ったはずです。
ただ、やはり万が一のカウンターを考えて遠藤選手を最後まで使ったのは分かります。
が、やはり勝ちを狙うのであれば5バックでの中央突破の組み立てにおいては活躍の場がない遠藤選手を、「縦パスを出せる」柴崎選手を投入しても良かったかもしれません。
昨日は縦パスを出せるはずの2CBがその役割を担うことができていなかったため、柴崎選手にその役割を任せても良かったでしょう。
柴崎選手は確かに守備はザルですし、「縦パスを受けることができる」選手ではありません。
ただ、時間とスペースに余裕がある時に出す縦パスは極上の精度とアイデアを誇ります。
昨日のコスタリカはゴール前には屈強なブロックが敷かれていましたが、ハーフラインでの守備は割とユルユルでした。
そこに柴崎選手がいると、間違いなくスコンスコンと鋭い縦パスが出て、鎌田選手や守田選手、あるいはどちらかを田中選手に変えて受けさせても良かったかもしれません。
とはいえ、森保監督の采配も十分理解できます。
やはり田中選手よりも、鎌田選手や守田選手の方が何倍も上手ですし、柴崎選手よりも遠藤選手の方が守備の強度は高いです。
残念なのは、それらが全て悪い方向に出てしまったこと。
遠藤選手もイエローカードをもらってしまいましたし、結局はリスクを冒したことで招いたのではなく、自分たちのミス・油断で失点をしてしまいました。
昨日は間違いなく、コスタリカこそがプラン通りに進めた試合でした。
我慢すれば一度はチャンスが訪れる。
そのチャンスをモノにすれば日本に勝利でき、グループリーグ突破の可能性を残すことができる。
このギャンブルをコスタリカは成功させたのです。
そして恐らく、コスタリカは6月の日本対ブラジル戦をしっかりと分析したに違いありません。
なぜならその試合こそが、日本が5バック(5気味の3バック)を苦手としていることが明らかになった試合だったからです。
後半、日本がボールを支配するようになり前に出ていくことができ、得点のニオイが漂い始めた時に、チッチ監督は5バック気味の3バックに変更して日本の崩しを牽制しました。
日本にサイドに逃げさせて、尚且つそこで潰したのです。
ただ、実はこの試合でも、途中出場の柴崎選手が輝きを放った試合でもあったのが皮肉なことです。。
スペイン戦をどう戦うべきか
昨日の大事な試合には負けてしまいましたが、とはいえ、まだグループリーグ敗退が決まったわけではありません。
ただし、次の第三戦のスペインは第一戦のドイツよりも厳しい戦いになることが予想されます。
ドイツとスペインの試合を見た方はわかると思いますが、スペインは日本を相手にドイツがやったことを、そのままドイツにやっていました。
日本<ドイツ<スペイン
であることは間違いありません。
基本のスタイルはドイツ戦と同じ
もちろん、戦い方はドイツ戦と同じになるでしょう。
基本は引いて守りつつ、タイミングを見てフォーメーション変更や選手交代でアクセントをつけ、カウンターで得点を狙いにいく作戦しかありません。
ドイツ戦と同じスタメンで挑み、前半は前回同様かませ犬になります。
そしてキーになるのは、やはり三笘選手と冨安選手です。
今日の試合でもわかったように、伊藤選手はインナーラップをすることができないため、三笘選手の良さを引き出すことができません。
また、サイドの選手にシンプルにつける判断も遅いため、一歩早く判断していれば出せたのにというシーンが多々ありました。
本来であれば中山選手が三笘選手を生かす役割を担ってきたのですが、怪我でメンバーにいない今誰がそれをするのか。
その答えが、先日のドイツ戦にありました。
冨安選手です。さすがの戦術理解度の高さで、本来ならウィングバックの三笘選手を、ウィングのように前でプレーさせることができました。
冨安選手の安定感がなせるワザでした。
後半で押し込むためにも、前半でドイツ戦の日本のように、今日のコスタリカのように相手のスタミナを奪う守備をしていきたいですな。
大一番で首位を奪還する可能性は0ではない
次のスペイン戦は間違いなく厳しい戦いになることが予想されますが、とは言え、まだベスト8への可能性を僅かに残しています。
次のスペインに勝つことができれば、2勝1敗の勝ち点6でグループ首位に立つことができます。
それこそ森保監督のプラン通りになりますよね。
僕はまだ森保監督を信じています。
今日の試合後にも、ターンオーバーをしたことを後悔していないと言いました。
もちろん、ターンオーバーとして使われた選手を庇う意図もあったと思いますが、これは本心であると思います。
それだけこれまでの親善試合で準備してきましたし、準備してそれでも失敗したからこそ次の戦いに向けて切り替えることができます。
僕はそれでもやっぱり、森保監督を信じています。
4年間を戦い抜いて、最後の集大成としてワールドカップに挑む最初の日本人監督。
その日本人監督を僕ら日本人が応援せず、誰が応援するのでしょうか?
今の歴代最強の日本代表のメンバーなら、森保監督を名将にしてくれるはずです。
最後まで、やりきってくれ。
がんばれ、ニッポン!!!
日本代表の欧州メンバーの活躍をチェック!
気づけば、日本代表メンバーの半数以上が欧州組になりましたね。
日本代表選手たちの普段の試合は地上波テレビでは追いかけることができないので、別の視聴媒体で追いかける必要があります。
せっかくなので、僕がいつも確認しているYouTubeチャンネルを一覧で載せておきますね。
リーグ(国) | 視聴媒体 |
日本代表 | JFATV |
CL/EL | WOWOW |
リーガ・エスパニョーラ(スペイン) | DAZN Japan |
プレミアリーグ(イングランド) | SPOTVNOW |
ブンデスリーガ(ドイル) | スカパー! |
セリエA(イタリア) | DAZN Japan |
リーグ・アン(フランス) | DAZN Japan |
プリメイラ・リーガ(ポルトガル) | DAZN Japan |
ベルギー・プロ・リーグ | DAZN Japan |
スコティッシュ・プレミアシップ(スコットランド) | SPOTVNOW |
Jリーグ(日本) | Jリーグ公式チャンネル |
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